マウスコンピューターのゲーマー向け製品ブランド・G-Tune。その主力機種「NEXTGEAR」シリーズに、デザインと使い勝手を一新した新ケースを採用する新モデルが登場した。また、マウスコンピューター製品とセットで購入できるiiyama製の液晶ディスプレイにも、高速表示が可能な新製品「ProLite G2773HS」が新たにラインナップされた。今回はこの2製品をあわせて詳しく紹介しよう。
大型グラフィックスカードも余裕の新ケース
今回試用する機会を得たのは、新モデルの中でも特に高性能な構成となっている「NEXTGEAR i620PA3-SP」。CPU、グラフィックスカードともに高性能モデルを採用したことに加え、ストレージもSSD RAID 0構成にするなど、あらゆる面でゲーマーのニーズを十二分に満たすことのできる上級機となっている。
最大の特徴は、外観・内部レイアウトともに一新された新ケースの採用だ。従来のNEXTGEARシリーズのケースは、高い拡張性を有しながらゲーミングPCとしてはコンパクトな形状を実現し、2年以上に渡って多くのユーザーに支持されてきたが、今回の新デザインケースは、そのコンセプトを引き継ぎながら、高性能PCに求められる最新トレンドをうまく取り入れたものになっている。
サイドパネルを開けて中をのぞいてみると、パーツレイアウトの変更点として最も印象的なのが、フロント部に大きく確保された余裕スペースだ。パワーユーザー向けPCケースでは、ケース前面部を上から下まですべてドライブベイとしているものが少なくないが、すべてのベイにドライブなどを搭載しているユーザーはほとんどいないだろう。つまり、カタログ上の拡張性としては、たくさんのベイを用意したケースのほうが華やかに見えるかもしれないが、実際にはベイの空間は、単なるデッドスペースとなってしまうことが多いというわけだ。
今回のNEXTGEARの新ケースでは、内部ベイは3.5インチ×4基、オープンベイは5インチ×2基、3.5インチ×1基に絞り込み、ケース前面中央部に広い空間を用意している。これにより、大型のグラフィックスカードを搭載したときもボードの端やケーブルなどがベイに干渉することなく、エアフローも十分に確保することが可能となっている。
また、カードリーダーやUSBなどの前面I/Oポートはオープンベイではなく、ケース天面の専用スペースに実装しているため、カードリーダーのせいで3.5インチベイを1つ消費してしまうこともない。ベイの数を最低限に絞り込んだとはいえ、依然として豊富な拡張性を有しているケースといえるだろう。天面のI/Oポートはケースを床置きにしたときもアクセスしやすく、使い勝手も高いものになっている。
そのほか、HDDベイにはネジ止めをしなくてもワンタッチでドライブの着脱が可能なマウンタが付属しており、交換作業は簡単。また、マウンタには2.5インチドライブ用のネジ穴が設けられているので、HDDが入っていたベイをそのままSSDに転用するといったことも可能だ。また、ケース前面中央には大型の吸気ファンが取り付けられており、グラフィックスカードを効率良く冷却可能。メッシュ構造になっている前面パネルは、ドライバーなどを使わなくても簡単に取り外せるので、ホコリの除去などのメンテナンスも容易だ。
外観面では、フロント部が開閉式のカバー付きとなり、ゲーミングPCらしいデザインとスッキリした見た目を両立している。また、このカバーはヒンジ部分のロックを解除すると、簡単に取り外すことができるので、常にベイが見えているカバーなしの状態を好むユーザーにも対応可能だ。また、ここまでの製品写真を見てわかるように、内部の構造から背面パネルまで、シャーシの金属部分はすべてブラック塗装となっており、ケースを開けたときなどにもミリタリーライクなイメージで楽しませてくれる。
フロントパネルは開閉式のカバーになっている。カバーは取り外し可能で、外した場合もヒンジ部のすき間を埋めるパーツが用意されているので違和感がない | カバーを閉じた状態でも十分な吸気ができるよう、前面・側面にスリットが設けられている |
"Ivy Bridge"最上位モデルを標準搭載、グラフィックスも強力
NEXTGEARシリーズには今回紹介した「i620PA3-SP」以外にもいくつかのバリエーションが用意されているが、新ケースを採用するi620シリーズでは、「i620BA3」「i620BA3-SSD」以外のすべての機種で"Ivy Bridge"世代の最上位モデル・Core i7-3770K(動作周波数3.50GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.90GHz)を採用しており、ゲームから動画編集まで、あらゆる用途で高いパフォーマンスを発揮してくれる。また、ゲーマー向けモデルだけあってCPUクーラーにもオプションが用意されており、通常のファン以外に水冷式クーラーを選択することも可能。フルパワーで長時間の連続動作を行う場合の静音性を高めたいユーザーは、ぜひ検討したい。
グラフィックスカードはGeForce GTX 680を搭載。デュアルGPU構成のGeForce GTX 690を除けば、現在のNVIDIAでは最上位のグラフィックス製品であり、Keplerアーキテクチャの採用により、消費電力に対する性能も大幅に向上している。このCPUとグラフィックスの構成であれば、現状のあらゆるゲームを快適に楽しむことができるといっても過言ではないだろう。
また、新シリーズの中でも最上位モデルのi620PA3-SPだけあって、標準で256GB(ADATA SX900 128GB×2・RAID 0構成)のSSDと、2TBのHDDを搭載するデュアルストレージ構成になっている。ゲームはもちろん、OSの起動やファイル操作なども含めた、あらゆるシーンで十分快適な動作を得られるが、必要に応じて、さらに大容量のSSDを選択することもでき、SSDの最大容量は実に1024GB(ADATA SX900 512GB×2)となっている。そのほか、光学ドライブや電源にもオプションが用意されており、予算とニーズにあわせて自分だけのスペックに仕上げることが可能だ。