「据え置き型ノートがほしい。PCのスペックにはこだわりがある。もちろん画面はフルHD。とはいえ、予算は限られている……」そんなユーザーにピッタリの15.6型フルHDノート、マウスコンピューター「LuvBook K」シリーズが、この春フルモデルチェンジして登場した。CPU、グラフィックスチップともに最新のモデルを採用し、BTOオプションも充実。メインマシン用ノートPCの「本命」といって差し支えない新製品を、実機の試用を交えながら詳しく紹介しよう。
最新のCore i7とGeForce搭載で高コストパフォーマンスを実現
今回試用機として触れることができたのは、「LuvBook K」シリーズのうちハイスペック構成とされる「LB-K810X」。CPUは、4月にインテルから発表されたばかりのCore i7-3720QM(4コア、動作周波数2.60GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.60GHz、6MBキャッシュ)を搭載している。コードネーム"Ivy Bridge"で呼ばれる最新のCore i7で、従来の"Sandy Bridge"世代のメリットを引き継ぎながら、一層の高性能化・省電力化を実現したほか、内蔵グラフィックスコアのパフォーマンスを大幅に引き上げている。
今回の「LuvBook K」シリーズの新製品では、LB-K810X以外も含め、全モデルでIvy Bridge世代のクアッドコア版Core i7を搭載している。できるだけ価格を抑えたいのであれば、動作周波数を少し抑えたCore i7-3610QM(同2.30GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.30GHz、6MBキャッシュ)を搭載する「LB-K810B」「LB-K810S」を選ぶこともできるし、最高の性能を求めるユーザーには、Core i7-3820QM(同2.70GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.70GHz、8MBキャッシュ)を搭載するプレミアム構成「LB-K810X2」も用意されている。また、下位のモデルを選択した場合も、BTOオプションで上位のCPUに変更が可能だ。
加えて、グラフィックスチップにはNVIDIAの"Kepler"世代のコアを搭載するGeForce GT 650Mを採用。「LuvBook K」シリーズ全モデルの標準装備となっている。具体的なパフォーマンスはベンチマークテストのスコアとともに後述するが、Keplerではこれまでのグラフィックスチップに比べ、消費電力あたりの描画性能が大幅に向上しており、従来であれば大型のゲーマー向けノートPCでなければ難しかった性能を、LuvBookのような幅広いユーザーをターゲットにしたPCでも実現可能としている。
さらに、本機のグラフィックス機能は「NVIDIA Optimusテクノロジ」に対応している。これは、省電力なCPU内蔵グラフィックスコアと高性能なGeForce GT 650Mのどちらを使用するかを、負荷に応じて自動的に切り替えることのできる技術で、必要なときには高いパフォーマンスを得ながら、アイドル時などは発熱と消費電力を抑えることができる。また、特に省電力性を優先したいときや、動画エンコードなどでCPU内蔵グラフィックス機能を明示的に利用したいときは、キーボード左上に設けられたVGAボタンを押して、CPU側のグラフィックスを利用する設定に固定することも可能だ。
キーボード左上に並んだLEDのうち、内蔵グラフィックス動作時は一番左のグリーン(写真・左)が、GeForce動作時は左から2番目のオレンジ(写真・中)が点灯する。ボタンを押してVGAランプをグリーン(写真・右)にすると内蔵グラフィックスに固定される |
このようにCPU、グラフィックスともに最新世代のパーツを採用しながら、手の届きやすいリーズナブルな価格に抑えられているのが「LuvBook K」シリーズの大きな特徴だ。今回試用したLB-K810Xは、フルHD液晶、Core i7-3720QM、GeForce GT 650M、8GBメモリを搭載するハイスペック構成といっても、価格は10万円を切って99,750円となっている。また、CPUをCore i7-3610QMとし、メモリやHDDの容量を抑えたエントリー構成のLB-K810Bでは、79,800円という実に魅力的な価格を実現している。
もちろん、エントリー構成からでもBTOオプションで各種パーツを変更できるので、ベースの価格を抑えつつ、自分に必要なスペックに費用を振り分けることも可能。こだわりのあるパワーユーザーにも適した構成の製品となっている。
フルHD液晶と充実のインタフェース群、そして内部にも余裕が
ディスプレイは15.6型のフルHD(1920×1080ドット)光沢液晶。15型クラスのノートPCでは1366×768ドットのディスプレイを搭載しているものも少なくないが、Webブラウジングや文書編集の際に、多数のウインドウを開ける余裕や、写真や動画の精細感に関しては、いうまでもなくフルHD液晶のほうがはるかに上だ。
また、BTOオプションでDVDドライブをブルーレイディスクドライブに変更することができるので、ブルーレイディスクプレイヤーとしても活用できるほか、ディスプレイ出力はアナログRGBに加えてHDMIも用意されており、本体の液晶だけでなく、リビングのテレビに画面を映し出すことが可能だ。
左側面にUSB 3.0を3ポート(うち1ポートはeSATA兼用)、右側面にUSB 2.0を1ポート搭載しており、マウスのほか多数の周辺機器を同時に接続できる。動画編集など内蔵ストレージだけではデータの保存領域が足りない場合でも、USB 3.0やeSATAを利用して、外付けHDDへ高速にアクセス可能だ。
さらに特筆すべきは、「LuvBook K」シリーズでは2台のストレージを同時に搭載可能な構成になっている点だ。底面カバーを開くと、標準で搭載されているHDD(下の写真の左下部分)に加え、マザーボード上にもう1台の2.5インチドライブを搭載する余地が確保されている様子が見て取れる。シリーズのラインナップにはHDD+SSDモデルが用意されており、SSDの高速性とHDDの大容量のいいところ取りが可能。しかも、エントリー構成の「LB-K810B-SSD」では、SSD 120GB+HDD 500GBの構成ながら価格を99,750円に抑えている。デスクトップ機のハイエンドユーザーの間では、SSDとHDDの両方を利用するデュアルストレージ構成が一般的になりつつあるが、ノートPCの世界においてもデュアルストレージの時代がいよいよやってきたといえるだろう。