マウスコンピューターのデスクトップPC「MDV ADVANCE G」シリーズは、パワーユーザーに定評のある同社製品の中でも、特に強力なCPUを搭載する最上位機だ。シリーズ中の最小構成モデルに相当する「MDV-AGG9400B」は、10万円を切る価格を実現しながら、3Dゲームから動画編集までパワーを必要とする用途に対してオールマイティに活用できる実力機だ。今回、実際の製品に触れることができたので、早速レポートしたい。
Core i7の上位グループ・Sandy Bridge-E搭載
MDV ADVANCE Gシリーズ各モデルに共通の特徴が、コードネーム"Sandy Bridge-E"として知られるインテルの最新CPU(3000番台のCore i7)を採用していることだ。MDV-AGG9400Bは、その中でエントリーモデルとなるCore i7-3820を搭載する。Core i7-3820は、動作周波数3.60GHz(ターボ・ブースト機能利用時最大3.80GHz)のクアッドコアプロセッサで、コア数は従来のCore i7と同じ4コアと変わらないが、L3キャッシュ容量が8MBから10MBへ増えたほか、従来デュアルチャネルだったメモリアクセスがクアッドチャネルへ、PCI Expressインタフェースが40レーンへ拡大されるなど、コアゲーマー向けのハイエンドCPUと同じようなフィーチャーが用意されている。ハイエンドCPUのテクノロジーを手頃な価格で楽しめるモデルということができるだろう。
また、3000番台のCore i7は、CPU内蔵グラフィックス機能に非対応となっているため、グラフィックスカードの装着が必須となる。本モデルは、NVIDIAのゲーマー向けGPUの中でも価格と性能のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れるGeForce GTX 560を搭載しているので、3Dゲームのプレイにも十分対応可能な構成となっている。
パワーユーザーの要求にも応えるゆとりあるケース
では早速、今回触れることのできた実機を見てみよう。まずケースのサイドパネルだが、ちょうどグラフィックスカードなどの拡張スロットがある部分にエアホールが開けてあり、発熱の大きい高性能カードも効率良く冷却できるようになっているのがわかる。また、エアホールはフロント部分の側面にも設けられており、これによって前面近くに設置されるHDDも新鮮な外気で冷やすことが可能だ。
サイドパネルを開けると、一目見て、ほかのケースとは異なる点として、グラフィックスカードを支える「VGAサポートバー」を見つけることができる。これは、マザーボード上のスロット、ケース背面のブラケットに加え、サポートバーにもグラフィックスカードを支えるための場所を用意することで、大型で重量のある高性能カードも確実に保持できるという工夫だ。
特に、PCI Expressレーンの多いSandy Bridge-Eでは、将来的に2枚のグラフィックスカードを使用するSLI構成を視野に入れているユーザーもいると考えられるが、2枚のカードを装着するとマザーボードのスロットにかかる負担も大きくなる。サポートバーでカードを確実に支えることで、HDDの微振動などを長期に渡って受けても、スロット部で接触不良が発生するようなトラブルが起きにくくなるので、高性能マシンを長く安定的に使いたいユーザーにはうれしいポイントだ。
フロント部には、HDDホルダを備えたゲージを4基備えている。ネジを使わずにHDDの脱着が行えるので、動画編集など大容量のデータを扱う用途でも簡単にストレージ容量を増やすことが可能だ。ホルダは増設作業を容易にするだけでなく、HDDから発生する振動がケース本体に伝わるのを軽減する作用も期待できるので、特に複数台のHDDを利用するユーザーには振動・騒音低減の点でも有意義となる。なお、出荷時に搭載されている1台目のHDDはネジで固定されている。
そのほか、前面からアクセス可能な5インチベイが2基用意されており、オプションで3.5インチベイにカードリーダーを追加することも可能だ。