創業当時からマウスコンピューターを知り、法人対応ができるメーカーになるのを待っていたのが新装社だ。日本経済を活性化させるために、国内中小メーカーからの購入を行おうと考えた時、法人対応に意気込みを見せていたマウスコンピューターに目を留めたという、新装社の関口氏に話を聞いた。

震災を機に国内メーカーPCの導入を決意

新装社は出版流通の中で、出版社の商品管理および倉庫業務を受託する企業だ。日本の出版社の多くは印刷製本した書物を取次経由で書店に卸す。書店で販売されなかった売れ残りは、また出版社に返却され、倉庫で在庫として扱うことになり、単純な出荷管理以上の商品管理業務が必要となる。これを代行している新装社は、新聞社やテレビ局など出版業界の大手を顧客としている。

大量の在庫を適切に管理するため、新装社では早くからコンピュータ化が行われた。オフコンを利用した在庫管理からスタートし、出入庫データの管理なども行うようになり、徐々にPCへと移行。現在は独自に構築した出版在庫管理システムを、外部からVPNでアクセスして利用させるサービスも展開している。

新装社 代表取締役社長 関口信三氏

マウスコンピューターのPCは、業務端末として利用が開始されている。まだ試験的に3台導入したところだが、今後はクライアントPCを順次マウスコンピューター製のマシンに乗り換えて行きたいと考えているという。

「今回の導入に至った契機は、東日本大震災です。日本国内の経済情勢も悪く、復興が急がれる中、国内メーカーの製品を利用するという支援方法もあると考えました。これまでは外資系メーカーのマシンを利用していましたが、それではお金が海外に流出するばかり。国内メーカーからと決めて探した結果、行き着いたのがマウスコンピューターです」と語るのは、新装社 代表取締役社長の関口信三氏だ。

安価で魅力的なマシンを作った意欲あるメーカー

関口氏がマウスコンピューターの存在を知ったのは、かなり前にさかのぼる。「実は春日部で創業したころから存在は知っていました。当時から価格は他社の半額。これは使いたいと思ったのですが、まだ法人対応できるほどのサービス内容ではありませんでした。いつかは使いたいと思っていたのが、今実現しましたね」と関口氏。

以前からPCに詳しかった関口氏は、周囲の人々がPCを購入した時にサポートを行うことが多かった。マウスコンピューターの製品も価格に魅力を感じた親戚が購入し、サポートする中で実際に触れていたという。

「安くても普通に使えて、これはいいと思っていました。ただ法人として利用するには、実績とサポートが必要です。当時はまだ早いと考え、ずっと付き合いのあった販売店の勧めるままに大手メーカー製のPCを利用していました」と関口氏は振り返る。

きっかけはPCの入れ替えだった。「せっかくなら」と、法人サポート提供を前提に新しいパートナー探しに着手。"小回りの効く対応"を求めて、国内中小メーカーを当たりはじめた。

「国内中小メーカーのほうが、大手よりもきっとユーザーの声を活かしてくれると思ったのです。その中でもマウスコンピューターは、法人向けのサービスを確立しようという意気込みが感じられ、きっと私たちの声を活かしてくれると感じました」と関口氏は語る。