ディスクリートGPU搭載でゲームもプレイできる描画性能
再び内部仕様の話に戻ると、CPUのCore i7-2600sにはインテルHDグラフィックス2000というGPUが統合されているにもかかわらず「7074B4J」ではそれを使わずにAMD Radeon HD 6650Aをオンボードで別搭載している。他社の液晶一体型を見回しても外部GPUまで搭載しているのはごくわずかで、最上位モデルで搭載しているかどうか。ましてやビジネス用途を想定した製品では異例といえる。
驚くのはその描画性能の高さで、3Dゲームも十分プレイできそうな水準にあることだ。カプコンの「バイオハザード5」ベンチマーク(DirectX10版、テストA)を走らせてみると、デフォルト設定(1,280×720ドット)で66.7fps、1,920×1,080ドットのフルHD解像度でも38.4fpsのフレームレートが出ている。液晶一体型でゲームという取り合わせが何とも奇妙だが、こういった型にはまらない独自仕様にも“新世代Think”のテイストを感じる。なお、Radeon HD 6650AにはUVD3という動画再生支援機能も内蔵されているので、YouTube HDのような負荷の高い動画もなめらかに再生することが可能だ。
しかしながら、ここまでパフォーマンスが高いと、発熱やその冷却に伴うファンの騒音、消費電力などが気になるところではある。まず温度については、CPUパッケージがアイドル時で29度、高負荷時でも49度にとどまり、GPUコアもアイドル時が36度、高負荷時で54度で、いずれもまったく心配のいらないレベルだ(室温22度で計測)。冷却ファンの騒音も高負荷時でさえほとんど気にならないほど小さく、静音性はしっかり確保されている。また、消費電力をワットチェッカーで測ってみると、アイドル時で45W前後、ゲームソフトの実行中で80W前後だった。これは、21.5型ワイド液晶の一体型としては特段高いものでもなく、デスクトップ向けCPUに外部GPUまで搭載していることを考えれば、むしろ優れているといえる。
ワークスペースでも家庭でもメイン機になれる1台
「ThinkCentre Edge 91z(7074B4J)」は、スリムな液晶一体型でありながらセパレート型デスクトップPCに比肩する高性能を備えていることが最大の利点で、ビジネスに用いれば生産性は目に見えて向上するに違いない。とりわけデスクトップ向けCPUによる演算処理の速さは、実務の効率アップにつながるのはもちろん、Windows Updateやセキュリティソフトなどの更新も高速化され、そういった作業に余計な時間を割かれることも少なくなる。
付属のワイヤレスキーボードとマウスもスリムな割りに使いやすい作りで、さすがは“Think”の名を冠しているだけのことはある。また、本体に電源ユニットが内蔵されているので、コンセントからケーブル1本で電源を得ることができ、ACアダプタを床に転がしておかずに済むのもうれしい。セパレート型デスクトップPC本体と液晶ディスプレイをこの製品にリプレースすれば、ワークスペースがいまよりもスッキリするうえ、節電にもつながり、長い目で見ればランニングコストを抑えることにも寄与する。
興味深いのは、ビジネス向けのイメージが強い「ThinkCentre」でありながら、実はAV機能がなかなか充実していたり、ゲームもプレイできるグラフィック性能を持っていたりすることだ。スペック面で弱点らしい弱点も見当たらないことから、短期間のうちに陳腐化することなく、長く使えそうなところもよい。これならビジネスのみならず、家庭のメインPCとして導入し、日常生活やホビーにも幅広く活用できるだろう。なお、今回試用したのは店頭販売向けのモデルだが、直販サイトではCore i3-2100やCore i5-2400sをベースにしたパッケージモデルが用意されている。(本文:星紀明)
ThinkCentre Edge 91z 7074B4Jのスペック | CPU | インテル Core i7-2600s(定格2.80GHz、最大3.80GHz) |
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チップセット | インテルB65エクスプレス |
メモリ | DDR3 1333、4GB(最大8GB) |
ハードディスク | 1TB(シリアルATA) |
グラフィックス | AMD Radeon HD6650A(最大1GB) |
ディスプレイ | 21.5型ワイド液晶、1,920×1,080ドット |
LAN | 1000BASE-T |
OS | Windows 7 Home Premium SP1(64ビット正規版) |
価格 | オープンプライス:約120,000円 |
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