第2世代Core i採用で作業能率が高い

スペック面では、CPUに標準電圧版の第2世代Core iファミリーが使われており、15型クラスのスタンダードノートと比べても何ら遜色のない軽快な動作となっている。直販モデルの場合、パッケージによって選択できるCPUの種類も変わるが、下はCore i3-2350M(2.30GHz)から、最上位ではCore i7-2640M(2.80GHz)までを用意。今回の試用機に搭載されていたのは、Core i5-2520M(2.50GHz)で、Core i3と違ってターボ・ブーストも効くため、多少ヘビーな演算処理でもスムーズにこなせる。コストパフォーマンスを考慮すれば、CPUはCore i5を軸に検討するのがベストだろう。

また、ストレージは320GBのHDDのほかに、128GBか160GBのSSDも選択できる。今回の試用機はHDDだったが、容量よりも読み書き速度を優先するならSSDを選んでおきたい。なお、「X220」では高さが7mmの2.5インチストレージが使われており、一般的な9.5mm厚のHDDやSSDとは換装できないので注意が必要だ。たとえば「購入時にはHDDモデルを選択しておき、ゆくゆくは自分でSSDに交換を」と考えている場合、換装用SSDの選択肢が狭まる可能性もある。

内蔵ストレージへのアクセスは比較的簡単で、底面のネジを1本抜くだけで取り出せるが、7mm厚という点が換装時にはネックとなるおそれもある。将来、SSDへの換装を検討するなら、初めから注文時にカスタマイズでSSDを選択しておいたほうが無難だろう

もうひとつ、仕様面でメリットを感じられたのは、内蔵の無線LANモジュールで5GHz帯のIEEE802.11a/nも利用できることだ。パッケージによっては、2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nのみになってしまうが、注文時のカスタマイズで「インテル Centrino Advanced-N 6205」か「インテル Centrino Advanced-N + WiMAX 6250」を選択すれば、5GHz帯も利用可能になる。

なぜ5GHz帯の無線LANが利点になるのかというと、近年、家庭での無線LANルーター導入やスマートフォンの急速な普及に伴って2.4GHz帯の電波が混み合うことが多くなり、以前よりも実効通信速度が出にくくなっているからだ。それに比べて5GHz帯は対応機器がまだ少なく、近隣との電波競合も起こりにくい。

試用機の「X220」には「インテル Centrino Advanced-N 6205」が搭載されていたので、これを「Aterm WR9500N」に5GHz帯の11nで接続したところ、リンク速度は300Mbpsと表示されていた

信頼性とセキュリティを高める独自の工夫

ThinkPadがビジネスユーザーから支持される理由は、それが単にビジネスノートだからではなく、業務で用いるに堪えうるだけの高い信頼性を持つからだ。この「ThinkPad X220」も、やはり動作の安定感は抜群で、試用中に不安を覚える場面はひとつもなかった。

こうしたハードウェアの高信頼性を支えるのが、システムの健康状態を多面的に分析・管理する「ThinkVantage Toolbox」だ。たとえば「定期ハードウェア検査」では、HDDのランダムシークテストやCPUのレジスタテストなど、ありとあらゆる内蔵デバイスをテストし、異常がないかどうかをチェックしてくれる。

初期設定では月に1度、定期的に実行される「定期ハードウェア検査」。CPUやメモリなどの基幹部品はもちろん、サウンドチップに至るまで不具合がないかを徹底的に洗い出してくれる

また「省電力マネージャー」では、バッテリパックの充放電サイクルや、セルの製造メーカーと製造年月日、定格容量に対する現在の満充電容量など、バッテリに関する詳細な情報を得られる。ほかのメーカーならまずうたうことはないであろう「バッテリは消耗品である」ということを明確に示しながら、その健康状態をユーザーがつぶさに把握できるようにしている親切さは、おおいに評価できる。

バッテリの温度や充放電サイクル、満充電時の実容量まで把握できる「省電力マネージャー」。バッテリを消耗品と割り切ったうえで、効率よく運用できる

さらには、万一盗難に遭い、OSを再インストールされた場合でもOSを起動できないようにする「インテル盗難防止テクノロジー」のほか、指紋認証センサー、BIOSレベルで設定できる管理者パスワードやHDDパスワードなど、セキュリティ対策も万全だ。

「ThinkPad X220」は、見た目こそ地味で無骨に思えるが、実際に使ってみると良く練り上げられている製品だと感じる。特に、頑丈なボディと打ちやすいキーボードは、数あるモバイルノートの中でもトップクラスの出来で、さすがの一言に尽きる。ニューウェーブの「X1」も決して悪くないが、古くからThinkPadに慣れ親しんできた者からすると、やはりこういうスタイルのほうがしっくり来るのも事実だ。(本文:星紀明)

 
試用したThinkPad X220のスペック
CPU インテル Core i5-2520M(定格2.50GHz、最大3.20GHz)
チップセット モバイルインテルQM67エクスプレス
メモリ DDR3 1333、4GB(最大8GB)
ハードディスク 320GB(シリアルATA)
グラフィックス CPU内蔵(最大1,273MB)
ディスプレイ 12.5型ワイド液晶、1,366×768ドット
LAN 1000BASE-T
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n
バッテリ駆動時間 約8.9時間(6セルバッテリ搭載時)
サイズ W305×D206.5×H19/26.6mm
重量 約1.46kg(6セルバッテリ搭載時)
OS Windows 7 Home Premium SP1(64ビット正規版)
価格 119,385円(直販サイトでのキャンペーン価格。12月27日現在)

(マイナビニュース広告企画)

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