強力な冷却力が魅力となっているG-Tuneのダブル水冷モデル「MASTERPIECE i1330BA1-Liquid」。連載2回目では、実際に動作時の温度を測定し、その実力をチェックしていく。また、Core i7&GeForce GTX 580を搭載する性能もベンチマークで測定。ただ冷やせるだけでなく、最新の3Dゲームから動画のエンコードまで快適にこなせる、「全方位型」のマシンであることを確認する。

ダブル水冷ユニットを搭載した「MASTERPIECE i1330BA1-Liquid」の実力を検証

ダブル水冷の威力を検証!
高負荷でも驚きの冷却力を発揮

本稿第1回では、MASTERPIECE i1330BA1-Liquidのダブル水冷システムについて詳しく解説したが、今回は実際の実力をチェックしていく。その内容は、CPUとGPU、それぞれ何も処理を実行していないアイドル時と、高負荷な3Dベンチマークソフト「3DMark11」を実行したときの最高温度を測定するというもの。温度の測定については、CPUはフリーソフトの「Core Temp」を、GPUは同じくフリーソフトの「GPU-Z」を使用している。

CPU(左)とGPU(右)、両方の水冷システムの実力をチェック
CPUの温度測定にはフリーソフトの「Core Temp」を使用 GPUの温度測定にはフリーソフトの「GPU-Z」を使用

結果は下の表にまとめた。水冷システムの大きな魅力は、負荷の大きい状態でも温度が上がりにくいことだ。まずはCPUを見るとアイドル時ではわずか28度、高負荷時でも47度とかなり低い。本モデルが採用しているCPU「Core i7-2600」は、設計上、CPUの中央部分が72.6度より低ければ安定動作するとしている。そのことからも、高負荷時で47度という数字が、いかに低い温度かわかるだろう。

GPUにも水冷の威力が存分に発揮されている。GPUにはNVIDIA GeForce GTX 580が採用されているが、マイコミジャーナルで同GPUが初登場したときのレビューでの温度測定では、アイドル時で45度、高負荷時で78度となっていた。今回の結果であるアイドル時31度、高負荷時51度が、驚くほど低い温度なのがわかるだろう。これならば、CPU、GPUとも、真夏の冷房の効いていない部屋で、長時間使用しても安心といえる。ゲームプレイはもちろんのこと、寝ている時間を利用して、長時間エンコード作業を行いたい、といった場合も大丈夫だろう。

CPU
アイドル時 28度
高負荷時 47度
GPU
アイドル時 31度
高負荷時 51度

冷却力を活かして
オーバークロックに挑戦

これだけの冷却力を備えていると、チャレンジしてみたくなるのが、パーツを定格のクロック以上で動作させる“オーバークロック”だ。ここでは、CPUとGPUそれぞれオーバークロックを行い、そのときの温度とベンチマークの結果の変化をチェックしていく。CPUはBIOS設定で、自動オーバークロック機能であるターボ・ブースト機能利用時の最大クロックを、通常の3.8GHzから3.9GHzに変更する。一方GPUは、MSIのオーバークロックツール「AfterBurner」を利用して、通常はコアクロック772MHz、シェーダークロック1544MHzのところを、コアクロック810MHz、シェーダークロック1620MHzに変更した。

BIOSの設定変更でCPUをオーバークロック AfterBurnerを利用してGPUをオーバークロック

オーバークロックして、同様にアイドル時と「3DMark11」動作時の最大温度をチェックしたが、アイドル時は変化がなく、CPUの温度は最大48度、GPUも55度とわずかな上昇だった。この状態でBIOHAZARD 5のベンチマークを実行したが、問題なく完了。結果もオーバークロック前が145.2fpsなのに対して、オーバークロック時は153fpsとキッチリ性能アップしていた。クロック向上の効果が出ているといえる。

CPU:オーバークロック時
アイドル時 28度
高負荷時 48度
GPU:オーバークロック時
アイドル時 31度
高負荷時 55度
BIOHAZARD 5 ベンチマーク ベンチマークテストB(DirectX 10)
通常クロック 145.2fps
オーバークロック 153fps

※写真は貸出用サンプル機のものです。販売モデルと一部異なる場合があります。ご了承ください。