強化された自動クロックアップ機能
「ターボ・ブースト 2.0」の効果とは

ここからは「ターボ・ブースト 2.0」の効果について探っていこう。そもそもターボ・ブースト機能とは、CPUの負荷や発熱の状況に応じて自動的に動作クロックを変化させる技術。つまり、CPUの余力を使って一時的に定格以上のクロックで動作させ、処理性能を向上させようというものだ。

これの肝といえるのが、アプリケーションや処理によっては、1コアしか使わないもの、2コアまでしか使わないものなど、ばらつきがあることだ。4コアの場合、2コアしか使わない処理なら、残りの2コアはアイドル(何も処理していない)状態となるため、CPU全体としては余力が生まれ、動作クロックを定格以上にアップしても問題なく動作できる。そのターボ・ブースト機能が「2.0」となったSandy Bridgeでは、消費電力と温度の余力管理や、動作クロックの変化が強化され、より効率よくさまざまな処理が実行できるようになっている。

なお、具体的にクロックの変化を解説すると、Lm-i740X-Rが採用するCore i7-2600では、通常ベースクロック100MHzを「34倍」にした3.40GHzが定格となるが、ターボ・ブースト機能利用時には、4コアでプラス1倍の3.50GHz、2コア動作時でプラス3倍の3.70GHz、1コア動作時でプラス4倍の3.80GHzの動作が最大値となる。

さて、ここからはその実力をチェックしていきたいと思う。試してみたのは、マルチスレッドに対応し、4コアを効率よく使えるエンコードソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 5」、「バイオハザード5」定番3Dベンチマークソフト、MP3への変換では2スレッド、AACへの変換ではシングルスレッドとなるiTunes。ターボ・ブースト機能の有効/無効のそれぞれで処理を実行してみた。

「TMPGEnc Video Mastering Works 5」では、30分のMPEG2ファイルをMPEG4 AVCに変換するまでの時間を測定。「バイオハザード5」はPCのパフォーマンスを測定する「ベンチマークテストB」を実行、iTunesでは15ファイル合計435MBのWAV形式のファイルをMP3/AACそれぞれの形式に変換するまでの時間をチェックしている。

TMPGEnc Video Mastering Works 5(MPEG2→MPEG4 AVC変換)
ターボ・ブースト機能 有効 14分44秒
ターボ・ブースト機能 無効 14分58秒
バイオハザード5
ターボ・ブースト機能 有効 110.8fps
ターボ・ブースト機能 無効 110.5fps
iTunes
ターボ・ブースト機能 有効(MP3/AAC) 48秒/1分31秒
ターボ・ブースト機能 無効(MP3/AAC) 51秒/1分39秒
ターボ・ブースト機能の有効/無効はBIOSで設定を変更している

3D処理ではGPUの性能が結果を大きく左右するため、外部GPUとしてミドルレンジのGeForce GTS 450を搭載するLm-i740X-Rでは、ターボ・ブーストの効果はほとんど見られなかった。3Dゲームでは効果が薄いことは初代のターボ・ブースト機能と同様の傾向といえる。効果が顕著なのはMP3とAACの変換だ。実質1コア、2コアしか使わない処理であるため、テスト中はほとんどのシーンで3.70GHzまでクロックが上昇。ターボ・ブースト機能無効時に比べ、短時間で処理が終了している。

ちなみにターボ・ブースト機能の限界値である3.80GHzまで上昇することは、アプリケーションの起動時などほんの一瞬だけだった。実は、ターボ・ブースト機能の効果は、常にCPUをフル動作させるようなベンチマークテストで数値として見える部分以上に、こういったアプリケーションの起動時など、PCを使っていると多々ある、処理が短時間で終了するような動作が必要となった状況で、より実感することができる。ターボ・ブースト機能を有効にすると、PCのシステム全体の動作が、総じてキビキビ動いている実感が得られるはずだ。

ターボ・ブーストのクロック変化を視覚的に確かめられる「ターボ・ブースト・テクノロジー・モニター」。インテルのサイトでダウンロードできる

ターボ・ブースト機能の魅力は、シングルスレッドでもマルチスレッドの処理でも最適なパフォーマンスが出せることだ。4コア以上のコアを効率よく活かせるアプリケーションがまだまだ少ないだけに、活躍の機会は多い。なお、同じSandy Bridgeでもデュアルコアの廉価版となるCore i3シリーズはターボ・ブースト機能に対応していない。エンコードでは確かな効果があるだけにちょっぴり寂しいところだ。

合わせてチェックしたい
Sandy Bridge採用デスクトップPC

最後にSandy Bridgeを採用するオススメのデスクトップPCを紹介していこう。5万円以下という驚きの低価格モデルに、Core i7-2600に高性能なGPUを搭載して10万円以下とコストパフォーマンス抜群のモデルとどちらも魅力的。もちろん、両方ともBTOに対応しており、目的や予算に合わせて柔軟に構成を変更できる。

まず1台目は「Lm-iS621B-R」。最大の魅力は小さなボディと低価格だ。置き場所を選ばない幅わずか10cmのスリムなボディながら、Sandy Bridgeを採用。標準構成でクアッドコアのCore i5-2400を搭載と高い性能を備えながら、5万円以下を実現している。さらに、BTOでCore i7-2600に変更も可能とスペックアップにも対応。GPUの追加もできる。またUSB 3.0を標準で搭載しているのもポイントだ。

Lm-iS621B-Rの標準スペック [CPU] インテル Core i5-2400   [チップセット] インテル H67 Express   [メモリ] 2GB   [HDD] 500GB   [光学ドライブ] DVDスーパーマルチドライブ   [グラフィックス] インテル HDグラフィックス 2000   [サイズ] W100×D393×H364mm   [OS] Windows 7 Home Premium 64ビット版   [標準構成価格] 49,980円  

もう1台は「MDV-ASG8010B-R」。CPUにSandy Bridgeでも上位となるCore i7-2600を採用、そしてGPUにはNVIDIAで最新のGeForce GTX 560 Tiを搭載と、ハイスペックながら10万円以下の低価格を実現しているのが大きな魅力だ。メモリは4GB、HDDは1TBとそのほかのスペックも充実。BTOでメモリやHDDの容量アップ、ブルーレイドライブの搭載なども可能となっている。

MDV-ASG8010B-Rの標準スペック [CPU] インテル Core i7-2600   [チップセット] インテル P67 Express   [メモリ] 4GB   [HDD] 1TB   [光学ドライブ] DVDスーパーマルチドライブ   [グラフィックス] NVIDIA GeForce GTX 560 Ti/1GB   [サイズ] W190×D490×H410mm   [OS] Windows 7 Home Premium 64ビット版   [標準構成価格] 99,750円  

※インテル 6 シリーズ Express チップセットについて、マウスコンピューターはSATAポート 0番・1番のみを使用した不具合の影響を受けないシステムに限定し、新規注文受付を再開している。詳細については、以下を参照してほしい。

インテル 6 シリーズ Express チップセットに関する対応についてはこちら

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
製品名 Lm-i740X-R
CPU インテル Core i7-2600 プロセッサ
メモリ 4GB PC3-10600 DDR3
HDD 500GB
チップセット インテル H67 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GTS 450
ドライブ DVD±R 2層書き込み対応DVDスーパーマルチドライブ
OS Windows 7 Home Premium 64ビット版
LAN ギガビット(10/100/1000) LAN
インターフェース USB 3.0×2(背面)、USB 2.0×8(背面×6、前面×2)
サイズ W180×D382×H373mm
ディスプレイ
価格 74,970円(税込)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格については、2011/2/14現在の金額です。最新の価格についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。

(マイコミジャーナル広告企画)

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