サイコムから、ミニタワーケースを採用したゲーミングPC「G-Master Armor」が発売された。ATXサイズのミドルタワーに比べて小型なMicroATXサイズでありながらも、ハイエンドグラフィックスカードを余裕をもって搭載できる、パワフルなマシンとなっている。今回は、「G-Master Armor」の実力を試していこう。
試用機の主な仕様 [CPU] Intel Core i7-950(3.06GHz) [チップセット] Intel X58 Express [メモリ] 3GB [HDD] 250GB [グラフィックス] NVIDIA GeForce GTX 460 768MB [OS] Windows 7 Professional (64bit) [価格] 143,580円(※G-Master ArmorをBTO。参考:標準構成で123,800円)
編集部に、さっそく「G-Master Armor」が到着。いつもの通り大箱を開けていったのだが、「G-Master Armor」が収められたPCケースの箱が、なんだかすごくカッコイイのである。台湾のPCケースメーカーの老舗、Inwinの「IW-BR661 Dragon Slayer」というケースを採用しているのだが、ターゲットが明確にゲームユーザーであることが伝わってくる。
ハイエンドCPU/GPUを安定して動かせるミニタワーゲーミングPC
インテルのハイエンドチップセットであるX58 Expressを採用しオーバークロックなどの独自機能を満載したゲーマー向けマザーボード「ASUS RAMPAGE3 GENE」に、インテルのCPU「Core i7 950」を採用した本機。これだけでも高い冷却性能とスペースを必要としそうだが、さらに発熱が大きいことで有名なNVIDIAのハイエンドGPU「GeForce 480GTX」までも搭載可能としている。ミドルタワー以上でないと運用が難しそうなこれらのパーツを、ミニタワーで搭載しているのが、「G-Master Armor」の特徴だ。
「G-Master Armor」を特徴づけているのは、こういったハイスペックパーツをミニタワーサイズに搭載可能としている「Dragon Slayer」というケースがあってのことに他ならない。印象的なフロントデザインと筐体サイズ、そしてハイエンドCPU/GPUを搭載、冷却できるギミックなど、多数の工夫が施されている。
独自の工夫がみられるミニタワーケース「Dragon Slayer」
最大の特徴は、グラフィックスカードをミニタワーという狭い空間に、熱暴走を起こすことなく収められる点だ。昨今のハイエンドグラフィックスカードは非常に奥行が長く、古いケースではミドルタワーでも、HDDベイなどが邪魔をして、収めることができない。本機では拡張カードが搭載される箇所にはあえて拡張ベイを用意しておらず、最長320mmサイズまでのグラフィックスカードをスムーズに設置可能だ。またフロントファンから吸気される外気が直接グラフィックスカードに吹きかかるため、効率的な冷却が行える。
また、狭いケース内空間の空気を確実に循環させるため、多数のファンを搭載可能としている。試用機では、標準で、フロントに140mmファン×1、80mmファン×1、リアに90mmファン×1、ケース上部に140mmファン×1、左サイドパネルに120mmファン×2、計6基ものケースファンが搭載されており、熱暴走の心配はまずないといっていいだろう。
これらの設計の代償として拡張ベイの数が多いとはいえなくなっているが、そもそもゲーム用PCでストレージを多数搭載することはあまりなく、さらにMicroATXのマザーボードはストレージ用のポートが少なめである場合が多い。「ゲームをするためのPCを組むケース」という、目的がはっきりとした設計といえるだろう。
さらに、フロントパネルに最新規格であるUSB3.0のポートを用意したり、ケーブルをマザーボードの裏側で取り回せるようにしたり、CPUの裏側にスルーホールを開けてCPUクーラーを交換しやすくするなど、ここ最近のPCケースの主流ギミックが網羅されている。
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