映像に特化した「3D for THEATER」、3Dコンテンツ制作向けの「3D for CREATOR」など、用途別に3モデルを用意しているマウスコンピューターの「3D-PC」。今回はPCゲームを3Dに変換して迫力ある映像で楽しめる「3D for GAMER」にスポットを当てる。ゲームにどこまで効果があるのか、人気タイトルで試してみた。

多くのゲームを3D化!!
「3D for GAMER」の魅力に迫る

「3D for THEATER」「3D for CREATOR」「3D for GAMER」と用途別に3種類のモデルを用意しているマウスコンピューターの「3D-PC」ロゴプログラム。その中でも、最も汎用性に優れるのが「3D for GAMER」だ。ゲーム特化型のように思えるが、そのスペック要件はCPUがCore i7以上、GPUがGeForce GTX 470以上、メモリが4GB以上、光学ドライブはブルーレイと非常に高いレベルが定められている。実はこのスペックは、「3D for THEATER」「3D for CREATOR」の要件も十分に満たしており、ゲームの3D化はもちろんのこと、一般的なDVDを3Dに変換して楽しむことも可能。さらにBlu-ray 3Dにも対応と、3Dコンテンツを満喫できるモデルとなっている。PCで3Dをトコトン楽しみたいなら、「3D for GAMER」が一番だ。

「3D for GAMER」は、10種類以上の豊富なラインナップをそろえているのも大きな魅力。3D対応の液晶ディスプレイ「W2363D-PF」と、3D映像を見るためのメガネと赤外線ユニットをセットにした「3D Vision」、本体を合わせたフルセットモデルでは約20万円から、本体のみなら約14万円からとスペック要件を考えれば、十分過ぎるほどお買い得な機種から、SSDやより高性能なCPU、10GB以上のメモリを搭載するハイエンドな機種まで用意されている。フルセットモデルならば、液晶や「3D Vision」のほかに、DVDの3D化やBlu-ray 3Dの再生に対応するソフト「CyberLink Media Suite 8.0 for Blu-ray マウスコンピューターオリジナルエディション」が同梱される点は、前回紹介した「3D for THEATER」と同様だ。

「3D for GAMER」に準拠したフルセットモデル「NEXTGEAR i800SA5-WS-3DV」。価格は標準構成で309,750円
フルセットモデルでは3D対応液晶の「W2363D-PF」と「3D Vision」がセットになる。詳しくは連載第2回を参照してほしい

続々と増える3D対応ゲーム
過去のゲームも3D表示可能!

ゲームの3D化となれば、当然気になるのが対応するタイトルだが、実はその数は現時点でもかなり多い。タイトル名はNVIDIAのウェブサイトにある3D Visionのページで確認できるが、日本でも人気の「Battlefield: Bad Company 2」や「バイオハザード5」は3D Visionに標準で対応とその効果を十分に体感できる。このほか、古いゲームでも数百タイトルが3D Visionに対応。Call of Duty 4やCrysis、Fallout 3、Guitar Hero 3など有名なタイトルなら、ほとんど対応しているといっていいだろう。ただし、適応度があり、「最適」「適合」「良好」「POOR」「推奨しない」と5段階に分けられている。適応度によって、どの程度の差が生まれるのか、ここからは実際に試してみたい。

ゲームの適応度はNVIDIAのウェブサイトで確認できる
http://www.nvidia.co.jp/object/3d-vision-3d-games-jp.html

今回は、3D Visionに完全対応となっている「バイオハザード5」、適応度が最適の「Call of Duty 4」、適合の「Crysis」をプレイしてみた。まず、バイオハザード5は3Dの面白さを十分すぎるほど体験できるクオリティだ。どの場面でも奥行きを感じられるが、特に室内から外を見たときには、室内の壁が手前側、外の風景が奥にあるようにハッキリと見えて面白い。臨場感がかなり増している印象だ。Call of Duty 4も同様で、ズームして的を狙うときなど、銃を構えて遠くを狙うという遠近感をしっかりと感じることができた。Crysisは谷間など高低差のある部分では立体感があるものの、3D Visionへの適応が十分ではないのか、前述の2タイトルよりも目が慣れるのに少々時間がかかり、ちょっと目が疲れてしまった。目の疲れに関しては個人差があるとは思うので参考程度と考えてほしいが、適応度が高いほど3Dでもスムーズに画面を見られる傾向にありそうだ。

メガネをかけないでゲーム画面を見ると、このようにブレている。右目と左目の視差を利用して立体感を作る仕組みだ(画面は3D Visionに付属しているデモ)

ちなみに、3Dというと飛び出す印象が強いと思う。例えば敵の弾が目の前まで飛んでくるような体験を想像するかもしれないが、実際は画面から物体が飛び出している感じはほとんどない。画面からリアルな奥行きが感じられると表現するのが一番いいだろうか。窓から外を見ている感覚が近いだろう。実際のところ、次々と敵やオブジェクトが飛び出したのでは、まともにプレイができないので、そこは計算通りかと思われる。また、3Dならではの弱点もある。右目と左目で違う映像を表示しているため、カーソルや照準にズレが起きるのだ。FPS(一人称視点)で、シビアな照準操作が求められる場面では、3D表示のほうが不利になってしまう。そのため、タイトルによってはズレを計算に入れた3D Vision専用の照準が画面に表示される(Crysisもその一つ)。

立体感の強弱は赤外線ユニット背面にあるダイヤルを回すことで調整できる

このほか難点は、3Dではフレームレート(1秒間の表示コマ数)が大幅に低下してしまうことがある。これは、右目用と左目用の映像を作る必要があるためで、単純計算でも負荷は2倍になってしまう。実際に「バイオハザード5」のベンチマークでは、3Dを有効にするとスコアが半分以下になってしまった。とはいえ、それでもフルHD解像度で十分に遊べるスコア。「3D for GAMER」がGPUにGeForce GTX 470以上と厳しいスペックを要求しているのも、フレームレートが低下しても快適に遊べることを考慮しているのだろう。

バイオハザード5(1920×1080設定)
3D無効時 104
3D有効時 43.4