質実剛健、プロが好むノートPC「ThinkPad」シリーズにもWindows7+マルチタッチ液晶搭載モデルが登場した。一見大ぶりながら実は薄型・軽量である玄人向けスリムノート「ThinkPad T400s」に、遊び要素の強い印象があるタッチ機能は似合うのか。タッチ機能をはじめ、実際に触れた場合の快適さを中心に検証してみた。

主な仕様 [CPU] Intel Core 2 Duo SP9600 (2.53GHz 1066MHz 6MBL2) [チップセット] Mobile Intel GS45 Express [メモリ] 4GB [SSD] 64GB [グラフィックス] Intel GMA 4500MHD (チップセットに内蔵) [OS] Windows 7 Professional 64ビット [価格] 236,460円

渋いビジネスノートにタッチ液晶を搭載、見た目より薄くて軽い実力ノート

ビジネスマンや物書きに愛用者が多いThinkPad。派手さは一切なく、本体もがっしりとした印象で質実剛健としか言いようのないデザインだが、シンプルさは抜群。いかにも仕事ができそうな雰囲気も醸し出してくれる。

本体の厚みは最薄部で21.1mm、最厚部で25.9mmと見た目の印象よりも薄い。重量も1.79kgで、14.1インチ液晶搭載モデルとしてはかなりの軽さだ。薄さを強調するデザイン的な加工がないため無骨には見えるが、実際に持った場合にもしっかりした安心感がある。開くのに問題があるほどではないが、ヒンジも十分強く作られているため、柔らかくタッチする程度ならばディスプレイ部の揺れもそれほど気にならない。

トップカバーに小さなロゴだけが配置されたシンプルなデザイン

ディスプレイ解像度は1,440×900ドットで、最近流行の16:9のディスプレイと比較すると縦幅がかなりある。映像鑑賞等ではなく作業用と考えた場合には、広々とデスクトップが使える良い設定だ。ノングレア液晶なので画像や映像表示時の鮮やかさはないが、反射が少ないために見やすく、長時間利用しても疲れないという利点がある。画面の広さはそのままタッチ利用の快適さにも繋がる。モバイル利用が可能なボリューム感と、指先で利用するのに無理のない大きさのバランスが良くとれていると言えるだろう。

ディスプレイはアスペクト比16:10。縦方向の作業スペースに余裕が出ている

液晶がノングレアであることには、もう1つ大きなメリットがある。タッチで利用した時に指紋汚れが気にならないという点だ。静電式タッチパネルを採用しているため、爪やタッチペンでは利用できず、静電式対応のタッチペンを利用するか指の腹で操作することになる。指の腹で使う場合、グレア液晶では触った部分にしっかり指紋がつき、曇りが目立ってしまうが、ノングレア液晶ではこれがさほど気にならない。また液晶の表面は非常にさらさらとした触感で、実際にタッチ操作する場合にも指先のひっかかりが感じられないのが好印象だ。タッチは同時に4点までの認識が可能で、ペイントで線を引いてみたところ非常にスムーズに認識された。

基本のポインティングデバイスは、タッチパッドとトラックポイントの両方を搭載しているため、タッチを含めると3種類の利用方法が搭載されていることになる。トラックポイントとタッチパッドは無効化できるが、設定を変更して併用することも可能だ。タッチパッドはマルチタッチ機能を搭載しているため、キー入力メイン時には手を離さず使えるトラックポイントを、画像操作時にはタッチパッドを、という具合に使い分けることもできる。さらにマルチタッチディスプレイで直感的な操作が加わったため、用途に合わせて迅速な作業ができそうだ。

トラックポイントとタッチパッドを両方搭載。タッチパッドの上下にクリックボタンが配置されている

スムーズな4点認識ができるマルチタッチディスプレイ