今や、家庭におけるメインのPCがノート型というケースが主流になりつつある。デスクトップPCに比べ省スペースで、ディスプレイやキーボードをケーブルでつなぐ必要がなく、時には普段置いてある部屋から別の部屋に移して使うこともできる。このようなメリットから、外へ持ち運ぶような使い方をしなくても、メインマシンとしてノートPCを選択する十分な理由があるというわけだ。

デスクトップPCに慣れたユーザーだと、ノートPCにはパフォーマンス面での不安があるかもしれない。また、リビングのテーブルの上など、まさに生活空間の中で使うこともあるノートPCでは、デザインや仕上げといったスタイリングの部分も気になるところだ。

日本ヒューレット・パッカード(HP)から発売された新製品「Pavilion Notebook PC dv6i/CT」(以下dv6i/CT)は、性能とデザインの両面を磨き上げながら、なおかつ最小構成時に8万円を切るリーズナブルな価格を実現した、デスクトップPC代わりに使うメインマシンとして最適なノートPCだ。早速その詳細を見てみよう。

リビングにも置ける美しい「ZEN-design」

dv6i/CTは、16インチワイドという大型の液晶ディスプレイを搭載したノートPCで、インターネットの利用から写真の編集、DVDの再生まで用途を問わず幅広く活用できるマシンだ。

まず目を引くのは、天板やパームレストなど外装の全面にわたってあしらわれたグラフィックだ。HPは早くからデザイン性を強く意識したノートPCを手がけており、単にカラーリングに変化を持たせるだけでなく、さまざまなテーマからヒントを得た「ZEN-design」と呼ばれるデザインパターンを外装素材に施している。dv6i/CTのZEN-designは"kirameki"(煌)と名付けられており、光と化したエネルギーが無数に瞬いている様子がテーマとなっているという。

dv6i/CTのZEN-designは"kirameki"。右下のHPロゴは電源オン状態のとき白く光る

ZEN-designの実現にあたっては、単に一見したときの印象を高めるだけでなく、長期にわたって使用しても外装が劣化しないよう、「HP Imprint」という特殊な加工技術が用いられている。製造工程においては、デザインを加えたフィルムに樹脂を流し込み、デザインをボディの素材自体に転写しているので、塗装された色や模様のようにキズが付いたりはがれてしまったりといった心配がない。

リビングのテーブルに、「仕事っぽさ」を感じさせるようなグレー一色のノートPCは置きたくないものだ。日常的に目に触れる場所にあるものだけに、デザインへの配慮と、その質感を長く保ち続けるための技術が投入されているのは嬉しいところだ。

パームレスト部にもデザインパターンがあしらわれている。タッチバッドもシルバーに輝く仕上げ

音量調節、メディアの再生/停止、無線通信機能のオン/オフといった操作は、視覚的にも美しいタッチパネル部分で行える。消音・無線オフのときにはランプが赤く変化する

これからの標準となる16:9の大画面

16インチワイドの大型画面は1,366×768ドットの解像度を持っており、縦横比がちょうど16:9になっている。このため、16:9のワイド画面を想定して作られた動画などを画面いっぱいに、上下の黒帯なしで表示できる。現在売られているテレビやビデオカメラのほとんどがワイド画面用となっており、昨年末ごろにYouTubeの標準再生画面がワイド化されたことからも分かるように、今後のコンテンツの主流は明らかにワイド画面である。

今後の主流となりそうな16:9のワイド画面

また、従来PC用のワイドディスプレイは縦横比16:10のものが多かったが、最近のノートPCでは16:9の縦横比を持つディスプレイを採用するケースが急増している。これまでこのクラスのノートPCで採用されることの多かったのは、15.4インチワイド・1,280×800ドットのディスプレイだ。数字だけ見ると、従来の画面ほうがdv6i/CTに比べて縦に広いように思われるかもしれないが、16:9のコンテンツを全画面表示すると上下の黒帯部分が含まれるので、コンテンツ自体の表示サイズは、実際にはdv6i/CTのほうが横に約23mm、縦に約13mm広がっている。これは約1インチの画面サイズアップに相当する。

dv6i/CTは、購入時のカスタマイズオプションで光学ドライブにBlu-ray Disc(BD-ROM)ドライブを選択することもできる。これからの標準となるディスプレイを搭載した、高精細の動画コンテンツを楽しむのに適したマシンと言えるだろう。

ExpressCardスロット収納可能なリモコンも装備し、DVDなどを快適に視聴できる