昨年、日本に上陸したネットブックは、コストパフォーマンスを武器に着実に販売台数を伸ばしつつある。今年1月19~25日の期間に集計されたBCNランキングでは、ノートPCの販売台数に占める、ネットブックを含むミニノートの割合が3割を突破しており、市場を席巻する勢いを見せている。このように注目度の高いネットブックだが、スペック的に1台目のPCとして利用するには制限も多く、モバイル用など2台目としての用途が中心だった。しかし、マウスコンピューターから登場したネットブックの新製品「LuvBook F1500W」は、ネットブックとしては初めて光学ドライブを内蔵したことで、このようなネットブックの位置づけをガラリと変えてしまう可能性を秘めている。実機をお借りすることができたので、さっそくレビューをお届けしよう。
「LuvBook F1500W」 は、ネットブックとしては初となる光学ドライブを搭載した、注目の新製品だ |
±R 2層記録にも対応したDVDスーパーマルチドライブと160GB HDD
「LuvBook F1500W」は、CPUにはインテルのAtom N270(1.60GHz)を搭載し、「インテル 945GSE Express」チップセットと1GBのメモリに、OSとしてWindows XP Home Edition SP3を組み合わせた、標準的な構成のネットブックだ。注目は、ネットブックとしては初となる±R 2層記録に対応したDVDスーパーマルチドライブを内蔵したこと。アプリケーションのインストールやDVD鑑賞、データのバックアップなど、従来のネットブックでは外付けドライブが必要だった作業を単体でこなせるのが最大の特徴だ。また、ネットブックとしては最大クラスとなる160GBのHDDを搭載し、解像度こそ1024×600ドットと標準的だが、ミニノートとしては比較的サイズの大きい10.2インチ液晶を採用している点も、見逃せないポイントといえるだろう。
筐体の細かな使い心地をチェック
筐体カラーにはパールホワイトを採用し、天板はメタリック調の光沢仕上げが施されている。明るい色のため、光沢仕上げながら指紋汚れがあまり目立たない点はうれしい。筐体サイズは、W266×D203×H35mmとコンパクトながら、重量は光学ドライブを搭載しているためか約1.62kgとやや重めだ。ただし、他社の競合モデルを見渡すと光学ドライブなしの10.2型液晶搭載モデルで1.2kgを超える製品も多いことを考えれば、妥当な数値だ。本機が重量的に不利な6セルバッテリーを採用し、公称値で約5.2時間駆動を実現していることを考えれば、むしろ優秀な数値といえるだろう。
なお、海人氏作のバッテリーベンチマークソフト「BBench」を利用して筆者が行ったバッテリ駆動時間テストでは、「4時間37分」の駆動が可能だった。このテストでは、1分ごとの無線LAN経由によるWebサイトアクセスと10秒ごとのキー入力を行い、液晶バックライト輝度を10段階中の5段目に固定した状態で実施している。用途や設定によっては、さらなる長時間駆動が期待できそうだ。
通信関係はIEEE802.11b/g対応の無線LANと100Base-TX/10BASE-T有線LANに対応。外部ポートとして、USB2.0×2、音声入出力、VGA端子に加え、MMC/SDカード/Memory Stick/Memory Stick Proに対応する4in1カードリーダ、130万画素のWEBカメラを内蔵している。キーボードは、右端5つの文字キーの横幅が狭くなっているが、ミニノートのキーボードとしては標準的な構成だ。打鍵中に大きくたわむこともないので、メール端末としても問題なく利用できる。タッチパッドは比較的大型のものが採用されており、USB外付けマウスを接続した際、自動的にタッチパッドがオフになる設定も用意されている。発熱に関しては、負荷をかけるとすぐにファンが回りだす傾向を感じるものの、熱風が吹き出すようなことはなかった。ただし、HDDへのアクセスが続いている状態では右パームレストが熱を持つ場面があったので、気温の上がる夏場は熱がこもる可能性もありそうだ。