type J」は20.1型ワイド液晶搭載のボードPC。春モデルでは、新色2色が追加され、ワイヤレスLAN・Bluetooth機能も選択可能となった。今回は“ハンディカム”『HDR-CX12』で撮影した映像を取り込み「Adobe Premiere Elements 7」で面白ムービー作成にトライしてみた。

動画編集もおまかせ、オーナーメードモデル『VGC-JS91S』

VAIO「type J」は本体と大型ディスプレイが一体となったボードPC。丸みを帯びたデザインが大画面の威圧感を和らげる。お借りしたのはVAIOオーナーメード限定モデル『VGC-JS91S』の「ブラウン」。エントリーモデルでありながら、充実のスペックと豊富なソフトウェアを誇る、フレンドリーでスマートな1台だ。今回一緒に使用した“メモリースティック”タイプのハイビジョン“ハンディカム”『HDR-CX12』は、ハイビジョン映像が撮影できるビデオカメラだ

type J」は20.1型ワイド液晶搭載のボードPC。ラウンドフォルムと浮遊感のあるデザインが特長的だ。春モデルの『VGC-JS91S・VGC-JS91HS』には、これまでの「シルバー」「ピンク」「ブラウン」の3色に加え、さわやかな新色「ライムグリーン」と落ち着いたイメージの「ピアノブラック」も選択可能となり、合計5色からの選択が可能になった。いずれもインテリアによく合うカラーが取り揃えられている。

さらに、春モデルでは、全モデルでワイヤレスLAN・Bluetooth機能の搭載が可能となり、 ケーブルレスですっきりと使用できるようになった。VAIOオーナーメードモデルでは、グラフィックアクセラレーターとの組み合わせでの選択となっており、「NVIDIA GeForce 9300M GS GPU + IEEE 802.11b/g/n・Bluetooth搭載」と「インテル グラフィックス・メディア・アクセラレーター X4500HD(チップセットに内蔵)+なし」の2つから選べるようになっている。

さて、VAIOで動画編集を行うなら、ふつう 「type Ricon」や 「type Ficon」 「type Aicon」 など動画編集に長けたハイエンドPCに目が行きがちである。しかし、そこまで高性能なPCを要求しているわけではなく、日常的にはメールやブラウザなどの利用が主体で、週末時間があるときに動画編集を行う、日曜大工ならぬ「日曜エディター」には、ぜひ「type J」をオススメしたいのだ。

type J」は、そのスタイリッシュなデザインから、初心者向けのオールインPCと思われがちだ。だが、「type J」のVAIOオーナーメードモデル『VGC-JS91S・VGC-JS91HS』なら、動画編集ソフトウェアとして「Adobe Premiere Elements 7」とAdobe Premiere用のVAIOオリジナルプラグインソフト「VAIO Edit Components」が選択可能となっており、高度なスペックを要求される動画編集に見合ったスペックが選択できるなど、ユーザーの求めるさまざまな要求に応じてオールラウンドに使えるのだ。

たとえば今回お借りした『VGC-JS91S』は、プロセッサーには処理能力に優れ、複数のアプリケーションを同時に使っても快適に動作できるインテルCore 2 Duo E8400を搭載。そしてブルーレイディスクドライブ(DVDスーパーマルチ機能搭載)と、ハイビジョン映像をスムーズに再生する高性能グラフィックアクセラレーターNVIDIA GeForce 9300M GS GPUを搭載。また、高性能スピーカーをはじめとする音へのこだわり機能など、ハードウェアのバックアップを受けて、ムービー作成を華麗にこなす1台に仕立てられている。メモリーは約4GB、ハードディスクは約500GB、その他の選択ソフトウェアを選ばない設定にすれば価格は187,800円(税込)となる。 「type R」や「type F」「type A」で同程度のスペックを選択すると、あっという間に20万円をオーバーすることを考えると、この差は大きい。

奥行約157mm(本体最小傾斜時、キーボード最奥収納時)と場所を取らない上、使わないときには、キーボードをディスプレイ下部のスリットに収納できるため、机の上を広く使える。また、ディスプレイ下のループ部にFeliCaポートを搭載しており、オンライン決済などさまざまな機能に利用できる。背面には、左から電源入力端子、LANコネクター、USB2.0コネクター(×3)、光デジタル出力端子、i.LINK端子が並ぶ。ケーブルの抜き差しがしやすい位置に見た目も美しくまとめられている

よく使うインターフェースは、使い勝手のよい左側面にまとめられている。上から、“メモリースティック”スロット、SDカードスロット、USB2.0コネクター×2、ヘッドフォン出力、マイク入力コネクター、ライン入力コネクターが並ぶ。ワイヤレスLAN・Bluetooth機能を選択しすると、その下にワイヤレスON/OFFスイッチが入る

背面にある3つのコネクターを加えると、USBコネクターは全部で5つも用意されているので、データ転送やタブレットの接続など、さまざまな用途に活用できる。右側面には、ブルーレイディスクドライブ(DVDスーパーマルチ機能搭載)を装備し、自作ムービーの書き出しなどで威力を発揮する

撮って楽しく見てまた楽しい『HDR-CX12』

今回「type J」とともに使用したビデオカメラは、“ハンディカム”『HDR-CX12』。手のひらサイズながら、AVCHD方式による1920×1080のハイビジョン撮影が可能。“メモリースティック PRO デュオ”や“メモリースティック PRO-HG デュオ”などに画像を記録するタイプのハンディカムだ。高精細で美しい映像を残せる「クリアビッドCMOSセンサー」や最大1,020万画素相当の高画質写真記録など、先進機能により最上質の撮影クオリティを実現しつつ、人の顔を自動的に検出して追い続けてきれいに撮る「顔検出機能(顔キメビデオ)」、笑顔を捉えてシャッターを切る「スマイルシャッター」機能、光学式手ブレ補正などの搭載により、簡単で快適な操作を提供している。要するに、手間いらずで楽しく撮っているだけなのに、ビデオも写真もびっくりするくらいきれいに撮れる1台なのだ。

まぶしい屋外でもくっきり見える2.7型「クリアフォト液晶プラス」。くるっと180度回せる液晶パネルは、タッチパネルの簡単操作で閲覧、編集が可能。「クイックオン」ボタンを使用すると、スリープと高速起動がすばやくできる

今回は『HDR-CX12』におまかせで撮影してみた。電源を入れて液晶パネルを見やすい角度に開き「EASY」ボタンを押すと、かんたん操作のモードになり、撮影時の設定が自動的に行われる。後は「START」ボタンを押して撮影するだけだ。今回は、飼い犬相手の撮影だったので、せっかくの「顔キメビデオ」や「スマイルシャッター」が活かせないのは残念だが、撮影の楽しさは十分に堪能できた。

手にぴったりと収まるサイズなので、散歩のお供にも問題ない。ズームを使っても、フォーカスがカリっと決まってストレスを感じない。撮影した画像を再生してみれば、さすがハイビジョン。キメの細かい映像に驚かされた。例えるなら、スクリーン映画のような深みのある色と滑らかさ。これだけきれいに撮れるなら、是が非でもオリジナルムービーにして活かしたいと俄然意欲がわく。

さっそく撮影した動画を「type J」に取り込んでみることにする。取り込みは、“メモリースティック”を『HDR-CX12』から取り出し、「type J」の“メモリースティック”スロットに差し込めばいいだけと非常に簡単だ。「Adobe Premiere Elements 7」を起動して新規プロジェクトを作成し、取り込みを実行。これでムービー作成の準備は整った。

「Adobe Premiere Elements 7」の画面。大きく3つに分かれている。上段右側が操作を選択する「タスクパネル」。上段左側は編集操作を確認する「モニタパネル」。下段はビデオクリップを時系列で配置する「シーン/タイムラインパネル」。画像を取り込むときは、「タスクパネル」の「整理」ビューで「取り込み」ボタンをクリックし、表示されるデバイスの中から取り込み元の種類(今回は“ハードディスクまたはメモリ記録方式のビデオカメラ”)を選ぶ

ビデオクリップが取り込まれると、タスクパネルの「整理」ビューにサムネイル画像が一覧表示される。サムネイル画像をダブルクリックしてプレビュー再生したり、「シーン/タイムラインパネル」にドラッグしてムービーに使用したりできる