高い人気を誇る「Core 2」シリーズを有するインテルが、新世代のCPU「Core i7」(コア・アイセブン)を発表した。マウスコンピューターからは、さっそくこの「Core i7」を搭載した製品ラインナップが発表されている。その中でもお買い得感の高いスタンダードモデルとなるのが、この「MDV ADVANCE ST 6100S」だ。今回はハード、ソフト両方から、その実力を見ていくことにしよう。

「Core i7」搭載モデル「MDV ADVANCE ST 6100S」発表!

マウスコンピューターから発表された「Core i7」搭載モデルラインナップ。その中でももっともコストパフォーマンスの高いスタンダードモデルが、11月末発売予定の「MDV ADVANCE ST 6100S」となる。64bit版のWindows Vistaを採用し、将来に向けた最新のスペックを備えた本機。「Core 2」世代に比べ、どのように進化したか探ってみよう。

インテル新世代CPU「Core i7」とは?

市場を席巻し、今なお高い評価を受けるCore 2シリーズ。省電力設計のPentium Mシリーズの特徴を引き継ぎつつ、デュアル、クアッドとマルチコア化を進めたCore 2シリーズだが、「Core i7」はそれにPentium 4で使用されていた技術「Hyper-Threading」(ハイパースレッディング)を加え、さらに並列作業の処理能力を強化したCPUとなる。クアッドコアCPUでありながらも、OSからはオクタコア(8コア)として認識されるため、特にエンコード・デコードなどの処理では高いパフォーマンスを発揮してくれるだろう。物理的なCPUソケットの形状も変更が行われており、LGA775からLGA1366と、ピンの数は倍近くに増えている。「Core i7」は消費電力を抑えつつも、マルチスレッド化をさらに推し進めたCPUと言えるだろう。

クアッドコアCPUである「Core i7 920(2.66GHz)」だが、Hyper-ThreadingによりOSからは8コアとして認識される

「X58 Express」チップセットとDDR3メモリを採用

「Core i7」シリーズ登場に伴い、チップセットも新たにインテル「X58 Express」が登場した。最も大きな変更点は従来のインターコネクト「FSB」(Front Side Bus)が廃止され、新たに「QPI」(QuickPath Interconnect)が採用されたことだろう。これにより、CPUとチップセット間の転送速度が2倍以上に上昇しており、より効率の良いデータ転送が行えるようになった。さらにメモリがボトルネックにならないように、DDR3メモリをトリプルチャネルで搭載し、「Core i7」自体に8MBの3rdキャッシュメモリを内蔵し、メモリ周りの速度も上昇している。

「MDV ADVANCE ST 6100S」ハード構成をチェック!

革新的な変更が行われている「Core i7」と「X58 Express」によるシステム。ではさっそく、実際に「MDV ADVANCE ST 6100S」のハードウェア構成をチェックしていってみよう。シンプルなブラックフェイスでおなじみのMDV ADVANCE STシリーズ用のケースに、X58 Express搭載のマザーボードが備え付けられている。拡張カードスロットのうち、1番目のPCI Express x16にはグラフィックスカードを、3番目のPCI Express x16にはサウンドカードを搭載。本機で採用されているマザーボードは、グラフィック処理能力を高めるマルチGPUシステム「NVIDIA SLI」「ATI CrossFire」両方に対応しているため、PCI Express x16を3スロット備えている。またサウンドのクオリティを上げるため、あえてサウンドカードをオンボードにせず、別基板となっているのが特徴的だ。

ソリッドなピアノブラックのフェイスでおなじみのMDV ADVANCE STシリーズ用ケース 背面はスタンダードなATX構成。拡張スロットは2スロット使用されている
側面は、CPU、拡張カードスロット部に通気口が設けられている サイドパネルを外した状態。エアフローを妨げないよう、ケーブルは束ねられている
フロントパネル下部に貼られている「Core i7」のロゴマーク 前面のパワーやリセットのスイッチ、USB端子などは、5インチベイを利用してまとめられている
バックパネル部。USB2.0×8、LAN×2のほか、eSATA端子や、CMOSクリアのスイッチも備えている 拡張スロット部分。グラフィックスカードと、サウンドカードが確認できる
内部CPU周り。省電力を実現するDrMOSが採用されている 内部拡張スロット周り。サウンドカードはグラフィックスカードの影響を受けないよう最下部に配置
電源は580Wのストレート排気タイプを採用している