「dv4シリーズ」は、「dv2805/CT」の後継機種にあたり、「HP Pavilion Notebook」のラインナップではスタンダードに位置するモデルだ。秋冬モデルでは、従来のAMD製CPUに加えてIntel製CPUも用意し、日本HPならではの柔軟なCTO対応により、エントリーからハイエンドまで、用途や予算にあわせた幅広い構成を選択可能だ。
IntelモデルとAMDモデルを用意する「dv4a/CT」 |
前述したとおり、dv4シリーズはIntel Core2 Duo搭載モデルとAMD製CPU搭載モデルを用意しており、AMD搭載モデルで61,950円という低価格から購入することができる。今回の使用機は、AMDモデルでは上位の「Turion 64 Ultraデュアルコア・モバイル・プロセッサ ZM-80」を搭載した「dv4a/CT」で、こちらの機種を元にレビューを行う。
※上記の値段は「dv4a/CT 発売記念キャンペーン・モデル」の価格です。現在の価格はこちらからご確認ください
Turion 64 Ultraは今年、モバイル向けの新プラットフォーム「Puma」とともに発表されたCPUで、製造プロセスは65nm SOI。各コアに専用のL2キャッシュ1MBを備え、メモリはDDR2-800まで対応する。
また、アプリケーションの負荷にあわせて、プロセッサ内部の各コアの動作クロックを最適化する「Independent Dynamic Core Technology機能」など、優れた節電性能を持っており、バッテリー駆動時間は約3時間。
光学ドライブは着脱式となっており、ウェイトセーバ装着時の重量は約2.25kg。落下や振動を検知してハードディスクドライブを保護する「HPプロテクト・スマート・テクノロジ」や、約1.5時間で最大容量の90%まで充電できる「HPファスト・チャージ・テクノロジ」も備えているので、モバイル用途として利用するのも問題はないだろう。
発熱に関しては、底面はヒンジ部に近い底面左側の排気口を中心に熱くなる印象だが、膝の上に置けないほどにはならないだろう。また、パームレスト部分は左手部分がやや発熱するが、気になるような温度ではない。
Windows エクスペリエンス インデックスのスコア |
本製品の肝となるのが、グラフィックス機能に「Radeon HD 3200」を統合した「AMD M780G チップセット」だろう。Radeon HD 3200はDirect X10をサポートしており、内臓型GPUとしては高い性能を発揮する。
さらに、Radeon HD 3200には「Unified video decoder」というHD動画の再生に対応したハードウェアデコーダが組み込まれており、CPUへの負荷を軽減した状態でフルHDの動画を再生可能だ。
実際にフルHDサイズのコンテンツを全画面で再生してみたが、CPU使用率は常時50%以下を示していた。HDMI端子も標準搭載しており、ケーブル1本で大画面テレビと接続することも可能だ。
なお、CPUにコストバリューのSempron プロセッサ SI-40や価格性能比の高いAthlon 64 X2を選択したい際にも、同じチップセットになる。
また、Intel CPU搭載モデルでも「NVIDIA GeForce 9200M GS」内蔵のモバイル Intel PM45 Express チップセットが採用され、こちらもハイビジョン動画の再生支援機能が組み込まれている。
無線LAN機能は、両モデルともWiFi準拠のIEEE802.11a/b/gに、draft 2.0対応のIEEE802.11n。若干気になるのは、AMDモデルでは有線用のネットワークコントローラがギガビットイーサに対応していない点か。
Intelモデルでは対応しているので、ギガビットがどうしても必要なら「dv4i」を選択しよう。また、ブルーレイROMドライブもdv4iのみのオプションなので、こちらも考慮していただきたい。
新プラットフォームを支えるTurion 64 UltraデュアルコアとRadeon HD 3000シリーズ |