Prime Galleria QX搭載のCore 2 Quadとは?

まずはドスパラのゲーマー向けモデル「Prime Galleria QX」シリーズに標準で搭載されているCPU「Core 2 Quad Q6600(以下Q6600)」について触れることにする。Q6600は、インテルのメインストリーム向けのクアッドコアCPUで、開発時には「Kentsfield(ケンツフィールド)」というコード名で呼ばれていたものだ。Core 2 Duoと同様のCoreマイクロアーキテクチャ採用のコアを4つ内蔵し、複数のプログラムを同時に動作させる、いわゆる並列処理に対する強さが魅力。特にアプリケーション側がクアッドコアに対応している場合には、デュアルコアCPUを大きく上回る性能を発揮する。ここからは、実際のアプリケーションやベンチマークを使い、その実力をチェックしていこう。

CPUにクアッドコアを採用する「Prime Galleria QX」

インテルCore 2 Quadシリーズ

Q6600の性能比較に利用するのは、今をときめくCore 2 Duo E8000シリーズ最高峰の「Core 2 Duo E8500(以下E8500)」。単純なスペックだけで比べると、Q6600は4つのコアがあるとはいえ動作クロック2.40GHzで2次キャッシュ8MB、FSBは1066MHz。一方のE8500はコアこそ2つだが動作クロックは3.16GHz、2次キャッシュ6MB、FSBは1333MHzと、2次キャッシュ量以外はE8500がQ6600を上回っているようにみえる。しかし、その結果は意外なことに。次からの性能比較をチェックしてほしい。

CPUスペック比較表

CPU名

コア数

動作クロック

2次キャッシュ

FSB

Core 2 Quad Q6600

4

2.40GHz

8MB

1066MHz

Core 2 Duo E8500

2

3.16GHz

6MB

1333MHz

テストマシンのパーツ構成

Prime Galleria QX

Prime Galleria XG E8500

CPU

Core 2 Quad Q6600

Core 2 Duo E8500

メモリ

DDR2 800 1GB×2

チップセット

インテル P35 エクスプレス

グラフィック

NVIDIA GeForce 8800 GTS(512MB)

OS

Windows Vista Home Premium

映像の再生でも変換でも強さを見せるQ6600

最初にチェックする性能は、映像とグラフィック関連だ。テストの種類は「ハイビジョン映像再生時のCPU使用率」「TMPGEnc 4.0 XPressでの動画変換時間」「CINEBENCH R10での測定」の3種類となっている。まずはハイビジョン再生から見ていこう。今回はWMV形式のハイビジョン映像をWindows Media Player 11で再生したときのCPU使用率をチェックした。ここでは並列処理に強いクアッドコアの特性が見事に発揮され、Q6600使用率はわずかに15~20%、一方のE8500は27~32%という結果。Q6600ならばハイビジョン映像を鑑賞しながらでも、ウェブ閲覧やデジカメ画像の加工といった処理を軽くこなせるほどの余裕があることがわかる。

Q6600でWMVのハイビジョン映像を再生。CPU使用率は17%程度なのがわかる

こちらはE8500での再生。CPU使用率は30%に達している

続いては773MBのMPEG-2ファイルをエンコードソフト「TMPGEnc 4.0 XPress」で、MPEG-4 AVC(H.264)形式に変換する際の所用時間を測定している。ここでもソフト側がクアッドコアに対応していることもあり、Q6600が1分以上の差をつけて圧勝している。最近ではiPodやPSPなど動画再生に対応するポータブルデバイスが増え、動画のエンコードを行う機会は増えている。動画をよく扱う人にとって、クアッドコア搭載のパソコンは魅力的に映るだろう。

【TMPGEnc 4.0 XPressでの変換時間】
773MBのMPEG-2→MPEG-4 AVC変換

Q6600

E8500

8分46秒

10分10秒

最後は3Dグラフィックスソフト「Cinema 4D」をベースに開発されたベンチマーク「CINEBENCH R10」で、「Rendering(x CPU)」を実行したときの結果だ。マルチコアをサポートしているだけあり、Q6600の勝利。クアッドコアのCPU使用時は4箇所から同時にレンダリングをスタートと、その効果を視覚的に確かめられるのが楽しい。以上のように、アプリケーション側がクアッドコアに対応していたり、ハイビジョン再生などCPUパワーを必要とする処理ではQ6600に軍配が上がることがわかる。

【CINEBENCH R10】
Rendering(x CPU)

Q6600

E8500

8685

5311

「CINEBENCH R10」。Q6600では4箇所同時に描画がスタートする

E8500では2箇所同時の描画スタートとクアッドとデュアルコアのちがいがハッキリわかる