デジタル放送を楽しめる地デジチューナーとワンセグチューナー

さて、このFMV-BIBLO NFシリーズ秋冬モデル最大のトピックといえるのが、NF75XN/Dにも搭載されている地上デジタルテレビチューナーだ。AV向けノートPCなどでは早くから搭載されていた機能だが、本製品のようなスタンダードノートに搭載されるとは隔世の感がある。

この地上デジタル放送の視聴には「DigitalTVbox」を利用。同社がデジタルテレビチューナー搭載当初から利用しているアプリケーションだ。

もちろん視聴だけでなく、EPGによる予約録画や、録画したデータのDVDへのムーブなどが可能。また、SD画質へ落としたうえで一度だけDVD-RAMへ“コピー”できるダビング機能を備える。保存先がSD画質となるのはDVDの仕様上しかたのないところだが、万が一にも失いたくない録画データなど、たとえSD画質であっても保存しておきたい番組はあるだろう。現状ではデジタル放送を録画したものは“コピーワンス”の原則に従い、DVDなどへもムーブという手段しか行えないのが普通だから、この機能はDigitalTVboxの大きな魅力だ。

DigitalTVboxを利用することでNF75XN/Dで地デジ放送を楽しめる。リモコン操作も容易なシンプルなユーザーインタフェースが使いやすい

EPG(電子番組表)もサポート。簡単なユーザー登録を行うだけでインターネットを通じて番組表を取得できる

もちろんEPGから予約録画を設定することもできる。保存場所を選択する際にダビングを選んでおくと、HDDへHD解像度で記録するほかに、DVD-RAMへSD解像度の映像を“コピー”できる

さらに、DigitalTVboxはマウスによる操作に加え、付属のリモコンによる操作も可能となっている。ユーザーインタフェースもリモコンの操作を十分に考慮したものとなっている。また、PCのテレビソフトではリモコンの操作が反映されるまでにワンテンポの間が空いてしまうことも珍しくないが、このレスポンスも非常に良好で、家電同様の違和感のなさで利用できるといっても過言ではない。

NF75XN/Dに付属のリモコン。DigitalTVboxの操作はもちろん、Windows Media Centerの操作も可能。受光部は液晶上部に備わっているが利用範囲は広く、意識して受光部へ向けなくとも操作可能だった

もちろん、本製品における地上デジタル放送の視聴は申し分ない。液晶ディスプレイの解像度は地上デジタルのフルHD画質を下回っており、解像度変更を行っているわけだが、そのスケーリングもきれいだ。また、内蔵スピーカーも手元で再生する用途には十分な性能といえる。唯一残念なのは、DigitalTVboxを利用しているときはWindows Aeroが無効になってしまう点。Windows Aeroが無効になるとCPU使用率があがるため、PCは若干遅く感じられることになってしまう。基本的には全画面モードで視聴するスタイルが適しているだろう。

一方、エントリーモデルのNF50XNには、春モデルから採用されているワンセグチューナーを内蔵可能。ワンセグチューナーといえばアンテナ線を接続しなくても視聴できる手軽さが売りで、本製品のワンセグチューナーもアンテナを内蔵している。しかも、屋内用の外付けアンテナも付属しており、感度が悪い場合でも利用できる可能性はグッと高まる。

NF50XNを購入するさいにワンセグチューナーを搭載すると、屋内用の外付けアンテナが付属してくる。感度アップが期待できる

こちらの視聴はCorel Mobile TVで行う。このアプリケーションもワンセグ放送を視聴するだけでなく録画も可能。字幕表示がデータ放送にも対応しており、非常に高機能だ。さらに、Windows Aeroも有効の状態で起動するので、ワンセグ放送の画面を脇に置いて視聴しながらほかの作業を行っても快適に利用できる。解像度の低いワンセグ放送には、こうした使い方が合っているように思う。

ワンセグ放送はCorel Mobile TVを利用して視聴する。シンプルな画面だがデータ放送や字幕にも対応した高機能なソフトウェアだ

Corel Mobile TVは、番組情報の確認や予約録画も可能

キーボード周りに隠されたNF75XN/Dの秘密

ちなみに、DigitalTVboxやCorel Mobile TVは、キーボード上部に備わっているアプリケーションキーから一発呼び出しが可能なので、テレビを見たいと思ったときに、いちいちマウスやタッチパッドを操作しなくても手軽に起動できる。このアプリケーションキーは、チャンネルと音量の操作も用意されているので、簡単なチューナー操作ならこのボタンだけで利用できるのだ。テレビを見るのに、マウス操作でカチャカチャやるのは味気ないと感じてる人も、この操作なら違和感なくテレビに集中できるだろう。

NF75XN/Dのキーボード周り。キーボード手前にタッチパッドと指紋センサー。奥にアプリケーションキー、右手前にはFeliCaポートを備える

DigitalTVboxの起動やチャンネル/音量操作が可能なNF75XN/Dのアプリケーションキー。筺体デザインに合わせて、春モデルとは異なる形状のボタンが採用されている

NF50XNのキーボード周り。キーボード手前にタッチパッドと指紋センサー。奥にアプリケーションキーを備える

NF50XNもアプリケーションキーを装備。Corel Mobile TVの起動やチャンネル/音量操作が可能

また、アプリケーションキーのほかにも、NF75XN/Dのキーボード周りには本製品の特徴となるポイントが隠されている。一つはフラットポイント・デジタイザだ。この機能も春モデルから搭載されていたものだが、タッチパッドをいわゆるタブレットとみなしてペン操作を行う機能だ。

Windows Vistaはタブレット機能が充実したOSだ。例えば、手書き文字の入力機能や、ペンの操作でパソコンを操作するジェスチャー機能、手書きメモツールの「Windows Journal」、画面上の特定部分を切り抜いて画像として利用できる「スニッピング・ツール」などが用意されている。さらにMicrosoft Office 2007もペンで自由に描画できる「デジタルインク」という機能がある。

NF75XN/Dのタッチパッドは、タブレットのようにペン操作で利用できるフラットポイント・デジタイザを備えている

フラットポイント・デジタイザ用のペンは本体左側面後方に収納されているので使いたいときに即利用できるうえ、紛失の心配もない

これに加えて、本製品では、フラットポイント・デジタイザの入力領域に合わせた手書き入力アプリケーションである「らくらく手書き入力」、画面上の好きな場所に自由に描画できる「PenPlus」などをバンドル。これらを組み合わせることで、キーボード操作が苦手な人も文字入力が楽になる可能性があるし、マウスやキーボードだけでは難しい、イラストなどを駆使した文書・イラストも手軽に作成可能だ。

フラットポイント・デジタイザの入力範囲に合わせて手書き入力ができる「らくらく手書き入力」。文字の認識も良好で、エリアをはみ出して書くなどの極端なミスがなければ、かなり正確に認識してくれた

「PenPlus」は、デスクトップやアプリケーションの上など、ところ構わず自由に手書きできるユニークなツールだ

キーボード周りのもう一つの機能は、FMV-BIBLO NFシリーズでは初搭載となるFeliCaポートだ。SuicaやPASMOといった非接触型ICカード乗車券の利用履歴の参照や、Edy、eLIO、おサイフケータイなどのチャージ/利用履歴チェックもできるし、対応Webサイトではネットショッピングのさいもカード/ケータイをかざすだけで決済が完了する。Webサイトでクレジットカードを利用することに不安がある人や、多忙なため代金引換や銀行振り込みの利用が難しい人にとって、PCでこの決済方法が使えることは魅力的だろう。

NF75XN/Dのキーボード手前に備えられたFeliCaポート。この部分に非接触型ICカードやおサイフケータイなどをかざすだけで専用アプリケーションが起動する

このFeliCaポート用のアプリケーション「かざしてナビ」。乗車履歴の確認や、Edyの利用履歴やチャージなどを行える

WEB MARTモデルで魅力を最大限に引き出すFMV-BIBLO NFシリーズ

基本的なスペックの底上げを図ったうえ、地デジチューナーやFeliCaポートなどの新機能を意欲的に搭載してきたFMV-BIBLO NFシリーズ。冒頭でも述べたとおり、ここで紹介したモデルは、WEB MARTによるカスタムメイドモデルである。つまり、是非欲しいと思った機能を取捨選択したり、使用目的に合わせたスペックの構築が行える。

例えば、上位モデルで地デジチューナーを搭載するNF75XN/Dであれば、録画用スペースを確保するために最大容量となる250GBのHDDを搭載したり、パフォーマンスにこだわってCore 2 Duo T7500を搭載してしまうなどの選択が考えられる。また、本稿でも紹介したFeliCaポートやフラットポイント・デジタイザ機能は搭載/非搭載を選ぶこともできる。便利な機能なのであまりお勧めはできないが、少しでもコストを抑えたいのであれば、非搭載という手も使える。

一方のNF50XNはコストパフォーマンスに優れる製品であるため、そのポイントを活かしたスペック作りが面白そうだ。スーパーファイン液晶を選択したり、HDDを80GBにするなどすれば、コストは相当抑えられる。ただ、ワンセグチューナーは不必要と思っていても、ほかの作業をしながらもついつい利用たくなる機能なので搭載しておいたほうがいいだろう。逆に“ながら作業は生産性を下げるからダメ!”なんて考える人は、非搭載にしておいたほうがで精神衛生上よろしいかも知れない。ちなみにテレビチューナーは必要ないという方向けに、シンプルなテレビ機能非搭載モデルFMV-BIBLO NF70XNもラインナップされている。こちらもCPU(Core 2 Duo T7250/T7500)や本体カラーの選択が可能だ。

このように、自分の考えを反映し、ニーズにジャストフィットするPCを作り上げられるのがカスタムメイドモデルの魅力だといえる。NFシリーズはもっとも多くのユーザーの目に留まるであろうスタンダードモデルのノートPCだ。多くのユーザーの目に留まるということは、そこに存在するニーズも多種多様なわけで、新機能とカスタマイズ性の両立は、本製品をより魅力的にしている。

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FMV-BIBLO NF75XN/D
FMV-BIBLO NF50XN
本体色
・レザーブラック
 【選択可能】
・ヴィーナス・ホワイト
・レザーブラック
・ラベンダー
基本OS
・Windows Vista Home Premium 正規版
CPU
 【選択可能】
・Intel Core 2 Duo T7250
(2GHz/L2 2MB)
・Intel Core 2 Duo T7500
(2.2GHz/L2 4MB)
・Intel Celeron M 520
(1.60GHz/L2 1MB)
メモリ
 【選択可能】
・1GB(512MB×2)
・2GB(1GB×2)
※最大4GB(SO-DIMM×2スロット、OSが使用可能な領域は最大3.25GB)
 【選択可能】
・1GB(512MB×2)
・2GB(1GB×2)
※最大2GB(SO-DIMM×2スロット)
インテル ターボ・メモリー
 【選択可能】
・1GB
・なし
グラフィック
・チップセットに内蔵
(Intel GMA X3100搭載)
・チップセットに内蔵
(Intel GMA950搭載)
ディスプレイ
 【選択可能】
・15.4型ワイドスーパーファイン液晶
(1280×800ドット)
・15.4型ワイドスーパーファインDXII液晶
(1280×800ドット)
 【選択可能】
・15.4型ワイドスーパーファイン液晶
(1280×800ドット)
・15.4型ワイドスーパーファインDXII液晶
(1280×800ドット)
HDD
 【選択可能】
・120GB
・160GB
・250GB
 【選択可能】
・80GB
・120GB
・160GB
ドライブ
・スーパーマルチドライブ(DVD±R DL(2層)書き込み対応)
ポインティングデバイス
 【選択可能】
・標準内蔵(フラットポイント)
・デジタイザ
標準内蔵(フラットポイント)
LAN
・1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T準拠
無線LAN
 【選択可能】
・なし
・IEEE802.11a/g/b準拠
・IEEE802.11n draft 2.0/a/g/b準拠
 【選択可能】
・なし
・IEEE802.11g/b準拠
テレビ機能
・地上デジタルテレビチューナー
 【選択可能】
・なし
・ワンセグチューナー(内蔵)
インターフェース
・アナログRGB
・Sビデオ出力
・音声入力(3.5mmステレオ・ミニジャック)
・音声出力(3.5mmステレオ・ミニジャック)
・IEEE1394
・USB2.0×5
・LAN
・アンテナ入力(地上デジタル)
・B-CASカードスロット
・ExpressCard
・PC Card Standard準拠(TYPEI/II×1スロット)CardBus対応
・アナログRGB
・Sビデオ出力
・音声入力(3.5mmステレオ・ミニジャック)
・音声出力(3.5mmステレオ・ミニジャック)
・IEEE1394
・USB2.0×5
・LAN
・アンテナ入力(ワンセグ)
・ExpressCard
・PC Card Standard準拠(TYPEI/II×1スロット)CardBus対応
FeliCaポート
 【選択可能】
・なし
・搭載
・なし
バッテリー稼働時間(JEITA測定法1.0)
・約1.6時間
・約1.0時間
バッテリー充電時間
・約2.0時間
・約2.0時間
外形寸法(W×D×H)(突起部含まず)
・360×265×33.5~38.2mm
・360×265×33.5~38.2mm
本体質量(バッテリパック含む)
・スーパーファイン液晶を選択した場合:約2.9kg
・スーパーファインDXII液晶を選択した場合:約3.0kg
・スーパーファイン液晶を選択した場合:約2.8kg
・スーパーファインDXII液晶を選択した場合:約2.9kg

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