VAIOというと、AV機能優先でおしゃれなコンシュマー向けパソコンというイメージが強い。しかし、VAIOにもビジネス専用設計を行った「ビジネスVAIO」が存在する。それがVAIO type Gシリーズだ。type Gシリーズには、法人1300社以上を対象にした市場調査によるビジネスユーザーの声が随所に反映されている。その機能を法人向けカスタマイズモデルVAIO type G VGN-G1AAPS iconで見てみよう。

Windows Vistaへの移行は万全

今回レビュー用に借りたVGN-G1AAPS iconは、チップセットにモバイル インテル945GMS Expressを採用し、CPUにIntel Core Soloプロセッサー U1400、512MBのオンボードメモリ、40GBのハードディスクを搭載したWindows XP Professional(SP2)モデル。Windows Vista Capable対応だから、Windows Vistaへの移行が可能。このモデルで移行に際して問題になるのは、ハードディスクとメモリの増設程度なので、OSの移行は時期を見て焦らず検討することができるだろう。また、購入時にWindows Vista へのバージョンアップを見越して、ハードディスクとメモリのランクが高いものをBTOで選んでおくのも一つの手だ。

本体右下には、「Windows Vista Capable」シールが貼り付けられている。これがあれば、Windows Vistaへの移行が可能だ。

脅威の軽さを実感

借りたマシンは光学ドライブなしの1スピンドルノートで、軽量バッテリを装着して約898gという信じがたい軽さだった。また、DVDスーパーマルチドライブを搭載しても約984gと、1kgを切ってしまう。本機が到着したとき、何の部品が送られてきたのかと訝ったほどだ。 この軽量化の一端を担っているのが「マルチレイヤーカーボンファイバ」である。この素材は、マグネシウム合金より30%軽く、約2倍の強度を持つ素材で、レーシングマシンなどにも使われるものだ。type Gシリーズでは、本体の天面、底面にこの素材を使用している。

本体は、厚みもなくフラットなボディのため、書類の間に挟みこむようにしてバッグで持ち歩くことができる。あまりにも軽いため、PCを持っていることを忘れてしまいそうになる。

12.1型液晶ディスプレイは約4.4mm。従来モデルの約半分の薄さだという。約0.2mmの液晶ガラスを外装部分と液晶枠にはめこむ「フローティング構造」により、圧迫が一点に集中しない仕組みを取り入れている。

意外に便利! WIRELESSスイッチ

VGN-G1AAPSは、IEEE802.11a/b/gとBluetooth2.0の双方を内蔵可能。通信状況は本体右端のランプで一目瞭然だ。また、本体左上隅には不要時に接続を行わないようするためのWIRELESSスイッチがある。これまでワイヤレス通信のオン・オフをソフトで切り替えるわずらわしさを経験していたため、スイッチで切り替えられるのはたいへん便利だと感じた。

通信状況や動作状況がひと目でわかるランプ類。左からバッテリ、ハードディスク、ワイヤレスLAN、Bluetoothの状況がわかる。

本体左上端にあるWIRELESSスイッチ。ONとOFFをパチパチ切り替えるだけでワイヤレス通信のオンオフが切り替えられる。

ACアダプタもコンパクト

モバイルPCを持ち歩くとき、意外とじゃまになるのがACアダプタだ。アダプタ本体は大きくてかさばるし、コードが長くてごちゃついてしまう。 type GシリーズのACアダプタは非常に小さく持ち運びしやすいから、もしものときのためにも気軽に持っていける。また、付属のウォールマウントアダプタを使えば、コードなしで壁のACコンセントに差し込める。ただ、このウォールマウントアダプタをACアダプタに装着するとき、若干力を必要としたのが気になった。しかし、いったんはめ込んでしまえばほとんど外すこともないので、特に問題とするほどのことでもないだろう。

手の中にすっぽり納まるACアダプタ。重さはわずか約170g(コード含まず)。type Gシリーズは標準バッテリで最大約12.5時間駆動するが、いざというときのためには持っておきたい。

ACコンセントに直接装着できるウォールマウントアダプタを使えば、コードを持たずに外出できる。