「機械を分解する」という行為は、なぜこうも人をワクワクさせるのだろうか。デスクトップPCを初めて分解したときの高揚感をまだよく覚えている。そして自分の持ち物でない、というノーリスクが保証されている場合、興奮の度合いはさらに高まる気がする。実は今回、発売されたばかりの「Kindle Fire HD」を分解する工程を取材する機会に恵まれた。記者が喜び勇んで現場に向かったのは言うまでもない。

マイナビニュース編集部が伺ったのは、スマートフォンの修理/バッテリー交換/アクセサリの販売などを手がけている「SMART横浜/関内店」だ。前回はiPad miniの解体作業を取材させていただいた。今回は、仕入れたばかりのKindle Fire HDが餌食(?)になる。オフィスの応接間へ案内されると、挨拶もそこそこにSMARTの藤澤純一氏による解体ショーが幕を上げた。

端末の溝にヘラ状の器具を挟みこむと、ものの数十秒でスルスルっと裏蓋を開けていく藤澤氏。手順の良さはさすがプロである

Kindle Fire HDの裏蓋はツメでとまっている状態で、糊付けなどはされていない。そのため、開けようと思えば誰でも開けられるという。ここで、藤澤氏がボソっとひと言つぶやいた。「バラしていくのは難しくないけど、ガラスが一番下にある構造なので、液晶割れの修理は手間がかかりそうですね」。これは一体どういう意味だろうか。

裏蓋を外した状態(写真左)。Amazon自慢のドルビーオーディオ・ステレオスピーカーが確認できる(写真右)

iPad miniの場合、まず初めにディスプレイが本体から分離したのを覚えておられるだろうか。しかしこのKindle Fire HDの場合、最初に裏蓋が外れる仕様になっているのだ。したがって、ディスプレイにたどり着くまでに工数がかかるというわけ。したがって、くれぐれもディスプレイは割らないように気をつけたい。

フラッシュメディアなど、いくつかの部品には「Samsung」の文字が確認できた

どの場所にバッテリーがあり、どの場所にチップが配置されていて、...といった「部品たちの住所」は、iPad miniでもKindleFire HDでも基本的には大差ないという。

バッテリーを外す工程。搭載バッテリーは4440mAhで、iPad miniと同じ容量だった

Kindle Fire HDに搭載されていたバッテリーは、リチウムポリマーバッテリー4440mAh。iPad miniと全く同じ容量だった。しかし物理的なサイズは、心なしかこちらの方が小さいような気がする...?重さが気になるところだ。

バッテリーを外した状態(写真左)。ステレオスピーカーは端末の両端に設置されていた

基板を外してみる

3.5mmイヤホンジャックと、Skypeでの使用が可能なフロントHDカメラ

藤澤氏によると、電源とボリューム調整ボタンの部分は耐久性に一抹の不安があるとのこと。Kindle Fire HDの電源を入れる際は、労りの心を忘れないようにしたい。

側面に配置されている、電源とボリューム調整のボタン部分。確かに潰れやすそう