10月9日、ソフトバンクモバイルは都内で記者発表会を開催し、2012年冬~2013年春モデルのスマートフォン新製品を発表した。発表会には同社社長・孫正義氏が登壇し、新製品をアピールした他、エイベックス・グループと協力して新たにスタートする音楽サービス「UULA (ウーラ)」や、自宅でUULAや動画コンテンツを楽しめる「SoftBank SmartTV(スマテレ)」を発表するなど、本格的にコンテンツサービスへ乗り出す意思を示した。
孫社長はまず、山中教授のノーベル賞受賞のニュースを話題に出し、「他の科学者が『できます』というのに対し、山中教授は『やります』と言うそうです。私もよく『やりましょう』と言いますが、本当はできるのにやっていないことが世の中にはたくさんあります。不可能に思えてもやりましょうという精神が物事を著しく進化させるのだと思います」と挨拶。さらに「もう一つ思うこと」として、「競争は本当にすばらしいと思っています。モバイルの世界でもKDDIさん、ドコモさんががんばっておられます。我々も何としてもそれを超えて、お客様に喜んでもらうんだというつもりで日夜努力を続けています」と持論を展開した。
その「努力の成果」として孫社長がアピールするのが、ソフトバンクのネットワークの向上である。キーワードとなるのは、「つながりやすさ」と「速さ」だ。
「ボーダフォンジャパンを買収して以来、電波に悩まされてきた」という孫社長だが、現在は「プラチナバンド」を展開しており、12月末までにサービスエリアを大幅に拡大すると宣言。「つながりやすさ」の改善に自信をのぞかせる。
なお、プラチナバンドとは、ドコモやKDDIが使用している800MHz帯に近い900MHz帯の電波のこと。これまでソフトバンクが使用してきた2GHz帯は山間部やビル影で圏外になることが多く、これが「ソフトバンクはつながりにくい」とされてきた理由であった。
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