――10秒という制約はいかがでしたか?
阿久津「それも大変でした。10秒って短いなって、今回あらためて実感しました。伝えたいことをすべて伝えきれないんですよ。正直、そこはちょっと難しかったです」
――ちなみに稲垣さんはどのようにして10秒のセリフを作るのですか?
稲垣P「女の子がお喋りすることをイメージしてセリフを作っているのですが、実際に演じていただくと新しい魅力を聞かせて頂けたりもして面白いですね。ただニュアンスを良い感じに入れて演じていただくと、10秒に収まりきらなくなってことがあるんです。そこは何回やっても難しいと思っているところです」
――ご自分の描いた絵に声がついたのを聞いた感想はいかがですか?
得能氏「キャラクターに命が吹き込まれているというのをすごく感じました。実は自分の絵に声を入れていただくのは今回が初めての経験だったので、すごく新鮮でしたし、素直にうれしかったです」
――演じる上で注意したことはありますか?
阿久津「イラストを見ていると、こういうことを言いそうだなっていう妄想はいろいろとわいてくるのですが、この子は絶対にこうだ、みたいな決め事は作りたくなかったんですよ。設定上はビデオチャットで2人きりの会話になっていますが、実際はテレビの前でたくさんの方が観ていらっしゃるわけで、この子のことを妹のように観る方もいらっしゃれば、お姉さんのように観る方もいらっしゃる。もちろん、同級生だったり、恋人だったり、本当に観る人によって、さまざまなとらえ方があると思います。なので、絶対にこういう子だっていう決め付けはせず、観てくださる方が自由に想像できるように演じました」
――今回は椅子に座っての収録でしたが
阿久津「基本的には立って録るほうが好きで、そのほうがテンションも上がりますし、セリフにも力が入れやすいんですよ。でも、イラストの女の子は、寝転がって話しているんじゃないですか。そうなると、立って収録すると、変にテンションが上がり過ぎて、距離感がおかしくなってしまう。なので、今回はあえて座った状態で収録させていただきました。なので、もしかしたら、テンションが上がり切っていないところがあるかもしれませんが、それはこの体勢だからこそと捉えていただけるとうれしいです」
得能氏「そこまで考えているんですね。すごいです」
――さすがに寝転がっての収録はムリですよね
阿久津「それもちょっとは考えたんですけどね(笑)。リアルを追求するとそうなりますが、それだと本当に声が出なくなってしまうので、今回は座った状態で演じさせていただいています」
――今回の『60日のシンデレラ』は、セリフにもかなり破壊力がありますよね
稲垣P「そのあたりは得能さんのアイデアなんですけど、ストーリー自体は私が作っているということもあって、前後のつながりを無視したように、破壊力のあるセリフが突然出てきます(笑)」
――そういう意味では、パターンの多いイラストとあわせて、いつにもまして見逃せない60日間になりそうですね
稲垣P「あと、イタリアが舞台ということで、食べ物の話題もちょくちょく出てきます。深夜0時の放送ということを考えると、ちょっとやりすぎたかなって思う部分もあったりします」
――ダイエット中の方には厳しいですね
稲垣P「そのあたりは先に謝っておきます(笑)」