――実は前回インタビューをさせていただいた大原さんから質問を預かっておりまして
福山「え、何ですか?」
――「あなたの現在の願いは何ですか?」という質問が侑子さんから来ております
福山「なるほど、そうですね……。漠然と幸せになりたいなあ(笑)。もっと楽になりたいですね」
――楽になりたい?
福山「物理的なものではなくて、どんどんシンプルになっていきたいというのが願いですね。この『×××HOLiC』をやっている頃は、いろいろなものを見て、いろんなものを考えて、いろんなものを自分でやりながら、自分がやらなければならないこと、やりたいこと、やっていかなければいけないこと、そういうことがわかっていても、時間的にも体力的にも限度があって、とにかくてんやわんやとしていた時期なんですよ。その頃と比べると、今のほうがよっぽど忙しいのですが、でも気持ちはとても楽になっているですよね。だからこれがさらにドンドン続いて、もっと力が抜けて、もうその場所にいるだけで雰囲気を作れるようになりたい。構えないでいたいんですよね」
――何が来ても構えずに自然体で受け止めたいといった感じですか?
福山「やっぱり構えちゃうんですよね。なるべく四月一日をやるときにはそういった気持ちを入れたくない。でも身体が反応してしまう部分がまだまだあったりして」
――OADの収録などではやはり構えてしまうところがありますか?
福山「前回のOADではやっぱり構えましたね。だって、『籠』になってからの初めての作品でしたから。その前に『こばと。』のゲストで出演したこともありましたが、いつもの座組みでやるのは初めてでしたし、はたして今の自分にできるのかというのもありましたからね。まちがいなく3年前の自分にはできなかったことなので、それぐらい時間というものは大切なんだなって思いました。そういったことも含め、年齢だけではなく、自分がこれから進んでいくものをすべて"楽"に受け入れていければいいなと思っています。変に抗うことをしたくないんですよ。だから変化を変化として楽しんでいきたいので、"楽"になりたいです。漢字も同じですからね(笑)」
――現在OADが進行中の『×××HOLiC』ですが、今後の展開に対しての"願い"はありますか?
福山「もちろん、もう一度TVシリーズを、もしくは映画化ですね」
――それは一からやり直すという意味ですか? それとも続きですか?
福山「もちろん続きです。『×××HOLiC』はこれでいいと思っているんですよ。作り直す意味はまったく感じられないですね。テイストが多少変わっても、僕は『×××HOLiC』をやり直したいという感覚はなく、さらに前に進んでいきたいと思っています。第2期シリーズの『継』のときも、これまでの経緯などが一切なく始まっていますからね(笑)。唯一『×××HOLiC』でやり直したところといえば、劇場版の冒頭とTVシリーズの冒頭が同じシーンなんだけど、ちょっとテイストがちがうぐらいですね。こういう作品があってもいいじゃないですか。だってDVDもあるし、原作もあるからわかるでしょ、みたいな(笑)」
――ちなみにTVシリーズと劇場ならどちらをやりたいですか?
福山「それはもちろん両方やりたいですよ(笑)。劇場だと、オリジナルができるじゃないですか。『×××HOLiC』という作品は何でもできる作品なので、TVと映画、それぞれでちがった楽しみ方ができると思うんですよ。毎回演じるたびに、自分にできることや込められる想いが変わってくる作品なので、またみんなでやりたいなって思っています」
――それでは最後にファンの方へのメッセージをお願いします
福山「想いの共有だと思うぐらい、この作品にはいろいろなものが込められています。観てくれた方も、手にとってくれた方も、これから興味をもってくれる方も、このDVD-BOXでは、切り取った時間ではありますが、同じ時間を共有することができますので、ぜひとも『×××HOLiC』を観て、中毒になっていただければうれしいです(笑)。よろしくお願いします」
――ありがとうございました
『×××HOLiC』のDVD-BOXは、上下巻ともに特製布張りBOX仕様で、上巻にはプロダクションI.Gのアニメ・イラスト80点を収録した「豪華画集」、下巻にはCLAMP描き下ろしイラストを収録したA4サイズ横見開きの「豪華屏風型ボード (5点)」が特典として同梱されている。