米NVIDIAは7日(現地時間)、GF110コアを搭載する最新世代GPU「GeForce GTX 570」を発表した。GTX 500シリーズとしては、11月に登場したトップエンドのGeForce GTX 580に続く製品であり、GTX 580比でややスペックを制限したぶん、入手しやすい価格帯を実現している。今回、その評価カードを入手できたので、さっそくこれを試してみたい。

今回入手した「GeForce GTX 570」のリファレンスカード

見た感じ、カードそのものはGTX 580とサイズも形状も変わらない。補助電源コネクタは、6ピン+8ピンから6ピン×2へと変更されていた

まずは仕様の確認から。GeForce GTX 580と同じGF110コアをベースとしているので、基本スペックもそれを踏襲したものとなるが、CUDA Core数(SP数)は480基へと削減されている。恐らくはこれまでのFermiアーキテクチャのGPU製品同様、GPUダイ自体はSPが512基のものと同一で、Streaming Multiprocessor(SM)のユニット×1単位を無効にしているものと思われる。

コアクロックは732MHz、シェーダクロックは1464MHz、メモリタイプはGDDR5で動作クロックは950MHz(データレート3800MHz)、メモリ接続は320bitで容量は1280MBだ。カード単位の消費電力は最大219Wで、補助電源は6ピン×2。動作クロックが少し下がっているほか、メモリの変更もあり、ROP数は40基に削減されている。Texture Unit数は60基。

「GF110」のブロックダイアグラム。フルスペックだとSMは16ユニットなのだが、GTX 570では1ユニット無効にしてSM×15にしているものと思われる

価格については、米国市場における搭載グラフィックスカードの参考価格で349ドル。GTX 580が499ドルのアナウンスだったので、150ドルも違うことになる。今のところGTX 580の国内市場価格は5万円を超えるあたりとなっているので、今回のGTX 570であれば3万円台の中盤も見込めるだろう。

■GTX 570と従来製品の主な仕様比較
GPU GeForce GTX 570 GeForce GTX 580 GeForce GTX 480
製造プロセス 40nm 40nm 40nm
トランジスタ 30億個 30億個 30億個
CUDA Core(SP) 480基 512基 480基
Texture Unit 60基 64基 60基
ROP 40基 48基 48基
コアクロック 732MHz 772MHz 700MHz
シェーダクロック 1464MHz 1544MHz 1401MHz
メモリ GDDR5 1280MB 320bit接続 GDDR5 1536MB 384bit接続 GDDR5 1536MB 384bit接続
メモリクロック 950MHz 1002MHz 924MHz
最大消費電力 219W 244W 250W

今回のテスト環境

さっそくベンチマークテストに移りたい。比較対象は「GeForce GTX 580」と「GeForce GTX 480」、それに「AMD Radeon HD 6870」だ。なお今回のテスト環境だが、機材手配の都合で、GeForce GTX 570のテストを新規で実施した以外は、前回のGTX 580のテストと環境を揃えることでスコアデータを流用している。ドライバのVersionが少し違ってしまうのと、前回と同じくRadeon HD 6870は価格レンジが異なることを留意いただきたい。

比較するカード。左から「GeForce GTX 580」「GeForce GTX 480」「Radeon HD 6870」

GPU GeForce GTX 570 GeForce GTX 580 GeForce GTX 480 Radeon HD 6870
Driver NVIDIA Graphics Driver v263.09 NVIDIA Graphics Driver v262.99 Cataryst 10.10
CPU Intel Core i7-965 Extreme Edition
M/B GIGABYTE GA-X58-USB3
Memory DDR3 1333MHz CL9-9-9-24 2GB×3
SSD Intel X25-M 80GB
OS Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版