――「アイレンジャー」はベストアルバムですから、収録曲にはそれぞれ思い出があると思いますが、その中でも特に思い出深いものはどの曲になりますか?
「やはりデビュー曲の『夢のドライブ』ですね。デビューイベントで初めてお客さんの前で歌うときに、お客さんがいることに感動しちゃって、歌えなかったという思い出があります(笑)」
――緊張ではなく、感動で歌えなくなった?
「そうなんです。感動して、泣いちゃって、歌えなくなって……。そのときのことは今でも鮮明に覚えています。ステージに出た瞬間、満員のお客さんを見て、本当に感動しちゃったんですよね」
――それが今では大きなホールでも堂々と歌っていますからね
「でも、今だにカラオケボックスでは歌えないです(笑)」
――カラオケにはあまり行かないんですか?
「お仕事の打ち上げで、みんなが行くから一緒に行くというぐらいで、自分から行こうと思うことは絶対にないですね」
――歌うこと自体は好きなんですよね?
「歌うというよりも、やはり"表現"をすることが好きなんですよ。歌の主人公がどんな子なんだろうって考えて、その子の気持ちを歌に乗せて伝えるというのが好きなんですよね。歌に関しては、本当に"0"か"100"なんです。なので、カラオケボックスって、100%の力でバラードを歌う場所なのかなって考えちゃうんですよね。皆さんはどうなんでしょう?」
――カラオケボックスの場合は、歌のメッセージを伝えたいというよりも、単純に歌いたいというケースが多いと思いますよ
「そうですよね。それがたぶん苦手なんです。"ただ歌う"ということができないんですよね。だから、カラオケだとどうしていいのかわからなくなるんです。まさか、泣きながらバラードを歌うわけにもいかないじゃないですか(笑)」
――あくまでも歌は、表現の手段として好きだということですね
「何かを伝えるためだと、苦手なりにも頑張れるんです。なのでこれからも、私の想いや気持ちを伝えるためのひとつの手段として歌っていきたいと思っていますし、聴いてくださる方も私の歌から何かを感じ取っていただけたらうれしいですね」
――今回のアルバムには新曲が2曲収録されていますが、それぞれどういった曲になっていますか?
「毎回、私のアルバムには野中藍作詞のウクレレ曲が一曲入っているのですが、今回ももちろん入っていまして、それが『ファイト!!』という曲になります。もう一曲は『みんなのうた』という曲で、これは私が歌ってきた曲の中でも、一番壮大な曲になっています。長さも最長ですし、本当に聴きごたえのある曲になっています。ロック調なところもあれば、ちょっとしっとりしたところもある。そして、最後には『ララララ♪』といった合唱部分があるのですが、ここはライブなどで皆さんと一緒に歌えたらいいなと思っています」
■「みんなのうた」PV