Mac OS X Snow Leopardレポート集となる
【レポート】話題のユキヒョウを追う「Snow Leopard、ココに注目」(1)
【レポート】話題のユキヒョウを追う「Snow Leopard、ココに注目」(2)- 64bit時代の到来
【レポート】話題のユキヒョウを追う「Snow Leopard、ココに注目」(3)- 互換性の謎を解く
【レポート】話題のユキヒョウを追う「Snow Leopard、ココに注目」(4)- 64bitカーネルを試す
【レポート】話題のユキヒョウを追う「Snow Leopard、ココに注目」(5) - CUIの世界
もあわせてお楽しみください。

Snow Leopardでは、古い文字入力システム(IM)を利用できない場面がある。サードパーティー製の日本語入力用IMを例にすれば、2007以前のATOK、そしてパワーアップキットfor Leopard適用前のegbridge Universal 2(v17.0.1以前)※注がこれに該当する。

※注:開発元のパッケージソフト事業撤退により、egbridge Universal 2の販売は2008年に終了し、2009年1月末でサポートも終了している(エルゴソフトがパッケージソフト事業を終了 - egword/egbridge 24年の歴史に幕)

Safariを32bitモードで起動しても、IMKit非対応の古い日本語IMではかな漢字変換できないので注意

その理由は「IMKitを利用しているか否か」。IMKit(Input Method Kit)は、前バージョンのLeopardで実装された文字入力フレームワークで、64bit対応の容易さと開発者側の省力化がメリット。アプリケーションとかな漢字変換サーバ(日本語入力の場合)の通信はIMKitが担うため、32/64bitの違いを吸収できるだけでなく、開発者はかな漢字変換以外の実装が原則不要になるのだ。

なお、32/64bitどちらのプラットフォームにも対応するようビルドされたアプリケーションは、IMKitを利用したIMでなければ日本語を入力できない。Core 2 Duo以前のIntel MacでSnow Leopardを利用する場合(64bitアプリを実行できない)はもちろん、Intel 64対応CPU搭載機でSafariやMailを32bitモードで起動しても、やはり古いIMで日本語入力できないのは、これが原因だ。Snow Leopardに付属の「ことえり」を使うか、この際「ATOK 2009 for Mac」に乗り換えることが吉だろう。

入力モードのトグルが変わった

異なる入力モードへと切り替える場合には、[Command]+[SPACE]キーを押したあとに[SPACE]キーのみ離す([Command]キーを押し続ける)

[Command]+[SPACE]キーを押すと英字→ひらがなへと変わるはずの入力モードのトグルが、なにかの拍子にカタカナ→ひらがななど思いもしない組み合わせに変わってしまうことがある。これを元の英字→ひらがなへと戻すには、ひらがなモード時に英字入力へ([Command]+[SPACE]キー以外の方法で)切り替えるという煩わしい作業が必要となり、イラ立っていたユーザも多いことだろう。

Snow Leopardでは、この問題が改善されている。[Command]+[SPACE]キーを押して入力モードをトグルすることは従来どおりだが、前述したような異なる入力モードへと切り替える場合には、[Command]+[SPACE]キーを押したあとに[SPACE]キーのみ離す([Command]キーを押し続ける)操作をしてみよう。画面上にはトグル可能な入力モードが一覧され、[SPACE]キーを押すごとに入力モードが切り替わるので、目的の位置で[Command]キーから指を離せばいい。

つまりSnow Leopardでは、入力モードのトグルが原則"1対1"の関係だったところを、これを維持しつつ"1対多"のトグルを可能にしている。さり気なく気が利いている、Snow Leopardらしい改良点といえるだろう。