火星時代の交通手段。それはカーシェアリング?
『RFG』のゲームフィールドは非常に広大だ。マップを開いて、「さあ、どのミッションにしようかな」と取りかかるミッションを決めたとしても、はたしてそこへはどうやっていけばいいのか? 移動は徒歩でもできなくはないが、それだと時間が掛かりすぎるので、「自動車」を利用するのが常套手段となる。
ゲリラのアジトには何台かの自由に使える車が置いてあるため、ゲームがアジトから始まるシーンでは「足」に困らない。なお、アジトから持ち出した車が、敵EDFとの戦闘の末に破壊されてしまうこともよくあるが、特にペナルティはない。また、車が破壊されてしまったあとの新たな車の確保は、アジトに戻ってもいいし、あるいは道を往来する車を身体を呈して止めて、譲り受けることも可能だ。
「GTA」シリーズなどのバイオレンス系ゲームでは、「車の確保」≒「強奪」だったが、『RFG』では平和的に車を譲り受けることができる。火星市民のほぼすべてが「EDF」に不満を持っているため、市民の多くがゲリラ組織の有名人であるアレックには「協力を惜しまない」という雰囲気なのだ。だから、車の持ち主たちは、むしろ「どうぞ、どうぞ。乗って行ってください」という気構えで車を提供してくれる。
目的地へ向かう際にはマップ画面のナビゲーション機能を活用すると便利。ミッションアイコンにカーソルを合わせて選択すれば、マップ上に進むべきルートが出現し、さらに通常のゲーム画面の地面にルートグラフィックが表示される。ミッション場所には、このルートグラフィックをなぞるようにして車両を運転すれば着けてしまうので迷うことがない。また、「インターセプターミッション」「車列ミッション」のような移動体目的についても、このナビゲーションシステムは対応していて、動く目的地として設定可能。このあたりのシステムはよくできていてかなり好感触である。
多彩な武装で攻撃! ハンマーで一騎当千の爽快感も
主人公アレックが携行できる武装は4つまでで、うち、ハンマーが標準武装となっている。それ以外の3つの武器はミッション開始時にアジトから選択できるほか、ミッション中に敵を倒して奪い、その時点で所持している武器と持ち替えることもできる。中距離以上の敵に対して有効なのは「銃撃」で、銃撃をメインにしているときのプレイ感覚はまさにTPSそのままだ。視点操作の右スティックを押し込むとズーム視点となって狙い精度を上げることができる「照準モード」、障害物に向かってダッシュボタンを押すと障害物に身を隠すことができる『Gears of War』ライクな「カバーモード」……など、「TPSファンも納得」のゲームシステムが実現されている。『RFG』のゲーム進行はRPGライクだが、"芯"の部分は骨太のTPSとしてデザインされているのだ。
近距離での戦闘の場合、銃器でもいいが、オススメしたいのは一撃必殺な標準武装「ハンマー」攻撃。防弾アーマーを装着したEDF歩兵であっても、このハンマーを一振り命中させれば「ゴガン」という鈍い効果音とともにほぼ確実に即死に追い込める。右トリガの押し込みで発動する横振りハンマー攻撃は、描かれる水平方向のハンマーの半円軌道のすべてに攻撃力を発生させる必殺技となっており、とても強力。横並びフォーメーションで銃口を向けてくるEDF歩兵たちに対しても、ダッシュでダダダっと近づき、横振りハンマーを発動すれば、あっという間に死体の山を築くことができるのだ。もちろん、ダッシュ接近中には銃撃を喰らってしまうが、ハンマー一振りで複数の敵をブッ倒していく一騎当千な爽快感は"プチなんとか無双"の気分を味わうことができる。
なお、銃火器やハンマーに至るまで、各種武器はアジトでアップグレードが可能。シナリオ進行状況によっては新装備の購入もできる。購入の元手となる通貨の役割を果たすのは「サルベージポイント」。『RFG』では破壊活動を行うとさまざまな破片が周囲に散乱するが、そのうち貴重な金属片に該当するものはキラキラと輝いており、これを回収することで「サルベージポイント」が得られるのだ。「サルベージポイント」はミッションをこなした報酬として与えられることもある。
主人公アレックはとても強いヒーローだが、その体力ゲージは有限であり、攻撃を喰らうことでゲージは減少。ゲージが「ゼロ」になると死亡する。『RFG』には体力回復アイテムがなく(マルチプレイモードにはあるが)、障害物に隠れ、しゃがんで身を潜めるなどして一定時間攻撃を受けずにじっとしていることで体力を徐々に回復させることができる。実質的に捨て身戦法となる乱戦ハンマー無双バトルのあとは、敵の攻撃が来ない安全地帯を見つけて休むことが必須となる。しゃがんでいる間は無防備になるが、「ゲリラゲージ」の状態によっては市民兵たちがプレイヤーのアレックの周りに集まって掩護してくれたりする。NPCの心温まる振る舞いには目頭が熱くなることもしばしばだ。