RuneScapeとAliceプロジェクトがDuke's Choice Awardsを受賞

JavaOneのキーノートでは例年、Duke's Choice Awardsの受賞作品が発表される。今年はJagex Limited社が開発した多人数参加型のオンラインRPG「RuneScape」と、3D環境を利用したプログラミング学習ソフトウェア「Alice」が発表された。

Javaで作られたMMORPG「RuneScape」。ちなみにこの画面はJava Storeからインストールして実行したもの

Aliceのプロジェクトはカーネギーメロン大学の主導によりスターとしたもので、3Dプログラミング環境でアニメーションを作りながらプログラミングを学ぶことができるというもの。最新版であるAlice 3でJavaをサポートしJavaプログラマの育成に大きく貢献したことが評価されたとのことだ。

Thank You Scott McNealy

さてキーノートも終盤に近づき、これも恒例となっている「Thank You」の時間がやってきた。Javaに大きく貢献してきた人物を讃えてこの場で「ありがとう」の言葉を贈るのだ。過去には長年に渡ってJavaOneのホストを務めたJohn Gage氏や生みの親であるGosling氏などに贈られた「Thank you」。今年はSunの創業者であり長年に渡って同社を牽引してきたScott McNealy氏が選ばれた。

これは現在のSunの状況を考えれば当然の流れとも言えるかもしれない。Javaがここまで大きく成長できたのはMcNealy氏が常にSunの矢面に立っていたからだと言える。Gosling氏からはJava発表の記者会見などを思い起こさせるCG映像が贈られた。

Sunの重鎮3名が勢ぞろい

恒例のTシャツ投げはこの3名で

Oracleと共にJavaはもっと進化する?

壇上にはMcNealy氏が残り、続いて呼ばれたゲストはOracleのCEOであるLarry Ellison氏。4月にOracleによるSunの買収が発表されたことから、このJavaOneでも否応なしにOracleの動向が注目されていた。その渦中の人の登場である。

Scott McNealy氏とLarry Ellison氏(左)

同氏は「いろいろな噂が上がってるが、OracleにとってもJavaは重要な技術のひとつ。これからも協力的にやっていきたい」と、協調路線をアピールした。その上で「Javaはとても素晴らしいものなので、これからも継続して拡張していきたい。Javaのイベントも続けていきたい」と話した。

この「Javaのイベント」がJavaOneを指しているがどうかはわからない。"来年のJavaOne"については大いに気になるところではあるが、その話をするのはOracleによるSunの買収が完了するまでは時期尚早といったところだろうか。

とは言え、新サービスの発表やEllison氏自らの登場による「Javaの継続的な拡張」発言など、このキーノートが開発者にとってエキサイティングな時間であったことは間違いない。JavaOneは6月5日まで続く。この4日間がJavaへの期待を盛り上げる機会になればと思う。

McNealy氏から贈られた友好の旗