カシオ計算機「HIGH SPEED EXILIM EX-FC100」は、高速連写とハイスピード動画に対応したコンパクトデジカメだ。HIGH SPEED EXILIMシリーズとしては、一眼ライクのやや大きなボディに高倍率ズームを搭載した「EX-F1」と「EX-FH20」を昨年発売しているが、このEX-FC100はシリーズ中では初めて薄型デザインを採用している。発表時の推定市場価格は5万円前後。現時点での市場価格はマイコミジャーナル価格情報をご覧いただきたい。
6メガの静止画を秒間30コマで撮る
デジカメの連写スピードは、一般的なデジタル一眼レフ機で秒間3~5コマ程度、ハイスペックな高級機では秒間10コマ程度である。秒10コマにもなると、マシンガンを撃つような勢いでダダダダダダダッとシャッター音が鳴り響き、被写体の細かい動きまでをつぶさに記録できる。プロのスポーツカメラマンにとっては欠かせない商売道具だろう。
そんな高級一眼レフ機よりも、さらに速いスピードで連写できるカメラがカシオHIGH SPEED EXILIMシリーズだ。昨年発売したEX-F1は6メガ相当の画像を秒間60コマ、その下位モデルEX-FH20は7メガ相当を秒間40コマという圧倒的な連写スピードを誇る。工業計測や放送用途で使われる高価なハイスピードカメラに匹敵する速さだ。
上下左右のエッジを滑らかな曲線に仕上げた横長カードスタイルを採用する。突起部を除く奥行きは22.6mm(幅99.8×高さ58.5mm)で、本体重量は約145g。光学5倍ズーム機としてはかなり薄型軽量の部類だ |
電源を入れると沈胴式ズームがせり出し、約2秒強で撮影スタンバイになる。電源ボタンの下に見える「30」と記された「連続撮影切替」ボタンで、連写モードと単写モードを使い分ける |
もちろん、画質や機能などのカメラ性能はまったく異なるので、コンシューマー用のEXILIMを、高級一眼や業務カメラと比較してもあまり意味はない。だが、従来はプロ限定だったハイスピードの表現を、一般ユーザーレベルで実現したことは画期的といえる。そして、EX-F1やEX-FH20よりも、いっそう手軽に楽しめる薄型の高速デジカメが、今年2月に登場したシリーズ第3弾EX-FC100だ。
EX-FC100の連写スピードは最高で秒間30コマ。一度に連写可能な枚数は最大30コマで、高速連写時の画像サイズは最大6メガ相当(2816×2112ピクセル)となる。このスペックでどんな絵が撮れるのかは、まず作例を見るのが早いだろう。下の一連のカットは、秒間30コマ、画像サイズ6メガで、高速連写したものだ。
ペンギンの飛び込みは、激しい水しぶきを上げながら、やや腹打ち気味で着水する様子が分かるはず。EX-F1やEX-FH20よりもスペックダウンしたとはいえ、このくらいの動きなら十分に対応可能だ。動き回るペットや子どもの撮影などに役立つだろう。
秒間30コマで連続30コマ連写した中の、最初の20コマを掲載。[6M(JPEG) / 32.1mm(185mm相当) / プログラムAE(F4.5、1/1600秒) / ISO 100 / WB:オート] |
高速連写の使い方は、まず電源ボタンの後ろにある「連続撮影切替」ボタンを押して、通常の「1枚撮影オート」モードから「高速連写オート」モードに切り替える。そして、必要に応じて連写スピードや連続コマ数、画像サイズなどを設定し、シャッターボタンを押す。すると、擬似シャッター音がトゥルルルルルと鳴り、設定した枚数まで一気に連写が行われる。1度に連写した画像は、カメラ内ではひとまとまりのグループとして扱われ、動画のように連続再生したり、1コマずつコマ送り再生したりできる。……続きを読む