EX-FC100のもうひとつの見どころは、動画モードが充実していることだ。ボディ背面に動画専用のムービーボタンを備え、その周りのムービーモードスイッチによって、通常の動画(HD/STD)とハイスピード動画(HS)の切り替えができる。
通常の動画モードは、最大1280×720ピクセル/30fpsのハイビジョン記録に対応する。ファイル形式はMotion JPEGコーデックのAVIで、音声はモノラル記録となる。動画撮影中にズームを使えないのが残念だが、精細感が高く、クリアな発色のHD動画が撮れる。動画記録中に静止画を撮ることも可能だ。
一方、ハイスピード動画を選んだ場合は、最高で秒間1000コマ(1000fps)の動画、つまり超スローモーションの動画が撮れる。1000fpsの設定では画像サイズが224×64ピクセルとかなり小さくなるが、420fps(224×168ピクセル)や210fps(480×360ピクセル)も選べる。撮影の最中に30fpsから210fpsにスピードを変化させることも可能だ。
動画 | |||||
---|---|---|---|---|---|
|
|
さて、高速連写や動画などの独自機能に注目してきたが、通常のカメラ機能にも触れておこう。撮像素子は1/2.3型の有効910万画素CMOSセンサーで、レンズには光学5倍ズームを、手ブレ補正にはCMOSシフト式をそれぞれ採用する。画質は、シャープネスが高く、適度な鮮やかさがある。メニューの設定によってシャープネス/コントラスト/彩度をそれぞれ±2段に調整することもできる。
画像の細部を拡大すると、ややざらつきが見られ、極めて高精細とはいえないが、A4までのプリントに不都合はない。高感度は最高ISO1600に対応。ISO400を超えるとノイズが目立つが、被写体ブレの低減には有効だ。撮影機能としては、顔検出AFのほか、追尾AF、AF補助光、マニュアルフォーカス、最短3cmマクロなどに対応。絞りやシャッター速度の調整はできないが、コンパクトデジカメとしての基本機能は完備する。
ズームのワイド側の焦点距離が37mm相当とやや狭いことは、スナップや風景用には少々もの足りなく感じる。とはいえ、高速連写やハイスピード動画を生かして"動きもの"を撮る用途では、テレ側重視の光学5倍ズームであることはむしろありがたい。シャッターチャンス重視の撮影に役立つカメラだ。
鮮やかな海の色を的確に再現。[9M Fine(JPEG) / 6.42mm(37mm相当) / プログラムAE(F8.5、1/200秒) / ISO 100 / WB:オート] |
最短3cmのマクロ撮影ができる。[9M Fine(JPEG) / 7.54mm(43mm相当) / プログラムAE(F3.7、1/13秒) / ISO 100 / WB:太陽光] |
シャッターチャンスに強い。[9M Fine(JPEG) / 32.1mm(185mm相当) / プログラムAE(F4.5、1/640秒) / ISO 100 / WB:オート] |
気楽なメモやスナップにも最適。[9M Fine(JPEG) / 6.42mm(37mm相当) / プログラムAE(F3.6、1/320秒) / ISO 100 / WB:オート] |
ベストショットの「風景」で撮影。[9M Fine(JPEG) / 19.8mm(114mm相当) / プログラムAE(F10.2、1/160秒) / ISO 100 / WB:オート] |
ざらつきはあるがシャープネスは高い。[9M Fine(JPEG) / 6.42mm(37mm相当) / プログラムAE(F8.5、1/320秒) / ISO 100 / WB:オート] |