損失額は翌年以後に繰り越して控除可能 申告書一式は来年の申告でも必要に

くりっく365で損をした場合、特に課税は発生しません。

なので、確定申告をしなくていいように見えますが、逆に、相対取引にはない優遇措置が使えます。それが、「3年間の損失繰越特典」です。

その年に控除しきれなかった損失を翌年以降3年間にわたって、くりっく365や日経225先物miniなどの取引所先物取引で生じた利益から控除できるのです。

ただし、優遇措置を使うためには損した年に確定申告を行う必要があります。この場合、会社からもらえる源泉徴収票を基に、「確定申告書B」に記入。さらに「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」と「申告書付表(先物取引に係る損失繰越用)」を作成して添付します。

「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」は、上の欄から順に、種類→『為替証拠金米ドル / 円・くりっく365』など、決済の方法→『仕切』、差金等決済に係る利益又は損失の額→『手数料を差し引く前の損益額』、その他の収入→『スワップによる損益額』、差金等決済に係る委託手数料→『売買手数料などの合計額』を記載します。所得金額の欄には、手数料を差し引いた利益額を記入します。

「申告書付表(先物取引に係る損失繰越用)」には本年分の損失を記入します。複数年連続で損した場合は、『前年分までに引ききれなかった先物取引の差金等決済に係る所得の損失の額』という欄に記載して、3年前からの損益を合計して申請しましょう。

なお、国税庁のサイトで行う場合は「分離課税の申告書(申告書Bと申告書第三表)」を選択して作成します。

ケース設定

外貨為雄さん / 年収540万円、独身 / FX取引で1年間に10万円の損失

必要書類

■税務署でもらうもの
・確定申告書B(第一表、第二表)
・第三表(分離課税用)
・先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
・申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)
■自分で用意するもの
・源泉徴収票
・1年間の取引明細書