「上野動物園といえばパンダ」。パンダ不在でも、園内のあちらこちらで垂れ目がキュートなパンダの絵や写真があり、パンダグッズが売られている。レッサーパンダのいるパンダ舎の通路をはさんで向かい側の壁には、同園とパンダの歴史についての展示もあった。

かつてのパンダ舎の前にはパンダと上野動物園の長いつながりを学べる展示が

1972年にカンカンとランランが初来日してから36年。パンダ初来日のときのパンダブームの様子や、これまでにいたパンダの特徴、繁殖の試みなどを写真付きで詳しく説明している。「パンダは(上野動物園の)歴史であり、成果でもあるんです」と小宮園長。上野動物園とパンダの"絆"を伝えるこの展示はずっと続けていく予定だそうだ。

一方、園を出ても周辺での状況は同じだ。パンダののれんや看板を置く店に絵が描かれた自動販売機、さらには上野駅の中央口と公園口を結ぶ連絡橋は「パンダ橋」と呼ばれているという。

上野公園内で見つけたパンダの絵柄がかわいい自販機

JR上野駅構内の案内板には「パンダ南口」の表示もある

「(上野に)パンダがいないのはとても寂しいですよ。でも、(新しいパンダの問題については)は政治の問題もあるし、なんともいえません」。と話すのはパンダをかたどったお菓子「パンダ焼き」が有名な「桜木亭」の従業員。「パンダは見られなかったが、せめてパンダ焼きを」と買っていく人が多く、なかには「(パンダがいなくても)がんばってね」と励ましてくれる人もいるそうだ。

動物園正門入り口脇にある「桜木亭」

パンダをかたどった「パンダ焼き」は上野動物園みやげに人気

久し振りに訪ねた上野動物園。実物のパンダは見られなかったが、パンダの「存在感」、そして上野動物園とパンダの絆を強く感じた一日となった。