TBSの特番『巷のウワサ大検証! それって実際どうなの会』の放送が発表されたとき、ネット上に驚きや戸惑いの声があがり、「パクリなのか、パクリではないのか」のちょっとした論争になった。
そして3日夜、実際に放送されると、「チャンネルが違う」「これってアリなの?」「復活うれしい」などのさまざまな声があがり、「実際どうなの会」「チャンありがとう」「高カカオチョコ」などの関連ワードがX(Twitter)のトレンドにランクイン。
これらは『どうなの会』が今春まで日本テレビ系列で放送されていた『それって!? 実際どうなの課』(中京テレビ制作)のコンセプト、企画、演出、出演者、セットなどのすべてが似ていたことへの反響だろう。
同番組は深夜帯で根強い人気を得ていたほか、一定の視聴率を獲得していたこともあって、局を変えた早期復活に注目が集まるのは当然かもしれない。では、異例と言える早期復活をどう捉えればいいのか。テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。
「似ている」のではなく「ほぼ同じ」
今回の局を変えた早期復活について、民放の番組を手がける3人のテレビマンに「『あり』か『なし』か」を聞いてみた。
すると3人とも歯切れの悪い返事に終始。「あまりいいことではないけど、仕方がない気もする」「『あり』とは言いたくないけど、『なし』とも言いづらいギリギリの話」「局としてはキツいと思うけど、時代的にこれから『あり』になっていくのかな」などと複雑な心境を語っていた。
取材したところで両局の関係者は本音を明かさないだろうが、『どうなの課』が終了した理由は、編成上の問題(今春から日テレ系深夜枠『プラチナイト』の月~水曜が2枠体制に変更)、制作費・時間・人員のかかる番組構成などが挙げられている。また、キー局の日テレと中京テレビの関係性による背景も多少関係しているのかもしれない。
もし別のスタッフが別のキャストを使い、企画・演出の似ている番組を作ったら「パクリ」と疑いの目を向けられても仕方がないが、今回は放送局が変わっただけ。『どうなの課』のスタッフや制作会社はほぼ同じであり、これだけ確信犯的にほぼ同じ内容であれば、もはや「パクリかどうか」の範ちゅうではなく、「番組の移籍」「放送局の変更」というイメージが妥当に見える。
契約などの詳細こそ分からないが、終了してからの「移籍」「変更」であり、制作していた中京テレビや日テレ系列が「明らかな損害を被った」という様子もない。また、少なくとも視聴者を裏切るという形にはなっておらず、逆に歓迎の声が上回っている。
『どうなの課』は最後までネット上の反応がよく、昨年ゴールデン特番が2回も放送されていた。中京テレビ制作では『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』に続く「ゴールデン・プライムタイムでのレギュラー化もありうるのでは?」なんて声もあがっていたのだから、まさかの終了から早期復活に歓迎の声があがるのは当然かもしれない。
ネット上に「プロ野球の自由契約と似ている」という声もあがっていた。確かに「戦力外通告を受けた選手(=番組が終了)が別チーム(=他局)に移籍して同じプレースタイルで出場(=同じ内容で放送)する」ことと似ている感もある。