続いて投資にまつわる成功事例です。6月15日の民泊新法の施行による民泊解禁を待たずして、既に旅館業法(簡易宿所営業)に基づく許可を取って成功している民泊施設も多数あります。
その一つが、神奈川県鎌倉市に所在する民泊施設。物件所有者のCさんは、2020年の東京五輪のセーリング(ヨット、ウィンドサーフィン)の競技会場が江ノ島に決まったことを受け、海の近くに所在する一軒家を民泊に活用するアイデアを思いつきました。
当事務所で物件の調査を行ったところ、幸運にも大規模な工事なしで旅館業(簡易宿所営業)の許可が取れることが判明したため、旅館業法の許可を申請し、2017年11月に営業開始となりました。
五輪選手からも利用の予約が
この民泊施設は2階建て・延べ面積90平方メートルと広めの設計で、宿泊定員は10人となっています。人気観光地である鎌倉が近いため、予約サイトへの掲載直後から1日1件のペースで予約が入り、開業以来、高い稼働率を維持しているとのこと。
また、Cさんの狙いどおり、外国のセーリング競技の五輪出場選手から、数週間単位の予約が入ったそうです。定員10名の広めの民泊施設は、五輪に向けて練習に励む選手やコーチらの合宿所にうってつけだったのでしょうね。
以上、民泊の基礎知識を5回にわたって解説しました。民泊新法の施行を契機に、「利用」と「投資」の2つの観点から民泊を上手に活用していきましょう。
※写真と本文は関係ありません
筆者プロフィール: 石井くるみ
早稲田大学政治経済学部卒業。代表行政書士・宅地建物取引士。日本橋くるみ行政書士事務所代表。不動産ビジネスに関する許認可とコンサルティングを専門とする。民泊・旅館業に関する講演・セミナーの実績多数。主な著書に「民泊のすべて」(大成出版社)、共著に「行政書士の業務展開」(成文堂)など。