――『有ジェネ』で特に印象に残っていることはありますか?
印象に残っているというか、体に刻みこまれた思い出のエピソードがあるんですけど…。コロナになる前は、毎回収録後に反省会と称した打ち上げが行われて、ある時に有田さんが僕のインタビュー記事を「読んだよ」と話しかけてくれたんですけど、その記事の内容が、僕が『さんタク』(フジテレビ)の打ち上げの席で、(明石家)さんまさんから頂いたあだ名をタトゥーにして入れちゃいました!というものだったんです。それで、有田さんから「有ジェネは入れないの?」って聞かれて。
「番組名は入れないですよ!」なんて笑いながら話していたら、そこに同席していたTOKYO COOL(当時・全力じじぃ)が「僕らは有ジェネのために魂削って改名したんですから、全力じじぃを入れてください!」って、たまたま収録で改名企画をやった後というタイミングも重なってめちゃくちゃなお願いされたんです(笑)。「“全力じじぃ”なんてタトゥーは絶対入れたくない! “海砂利水魚”なら入れたい」って逃げのコメントを言ったつもりだったんですけど、有田さんがあっさり「いいよ、あげる!」「えー! いいんですか!」ってなって、あっさり「海砂利水魚」頂いちゃいました(笑)。いつの日か上田(晋也)さんにも許可もらえたら入れさせてもらいます!(笑)
それで結局、「全力じじぃ」は有田さんが「“FPZZ(Full Power ZiZi)”って英語表記にしたらカッコよくない?」って結構いいアドバイスくれたので、TOKYO COOLへの感謝も込めてタトゥー入れちゃいました(笑)。こんな話で大丈夫でしょうか?
――番組の特徴と言っていいのが、アングラ芸人の起用だと思います。
有田さんがまだ知らないであろうところを突き詰めた結果かもしれないです。どんどん掘っていったら見たことのない芸人が生息する地下にたどり着いちゃったみたいな。必然と番組がどんどんアングラ化しちゃったっていう(笑)。結局、僕もアングラ芸人が好きなんですよね。思い起こせば、『有田チルドレン』の頃から腐葉土を担ぎ続ける芸人とか、理解不能な芸人ばかり起用してましたね。不思議と、他の番組で見ることはほとんどなかったです。
――そういった中で、特に印象的な芸人さんは?
やっぱり桐野安生さんになっちゃうんですけど、桐野さんは芸人というかドキュメントなんですよね。生き様が『ザ・ノンフィクション』に出てきそうな人。哀愁が芸ににじみ出てる。
今、一番ホットなのはスルメさんですかね。Paravi版では恋リアドキュメント「スルメと幸」という企画でシリーズ化されていて、有田さんが「なぜ、これを地上波のときにやらなかった! やってたらスルメもっとブレイクしてたよ」と言わしめた傑作が『有田ジェネレーションYouTube』でも見れるので、ぜひ見てもらいたいですね。スルメの生き様、納言・幸さんの優しさが胸を打つこと間違いなしです!
■Paraviに移行して1回収録39本撮りの新記録
――『ネタパレ』(フジテレビ)も担当されていますが、差別化は考えますか?
そもそも番組のコンセプトが、『ネタパレ』は劇場感覚で今旬のネタが見られる番組、『有ジェネ』は有田ファミリーに入るためのオーディション番組という違いがあるので、『ネタパレ』は視聴者のことを考えた人選。『有ジェネ』は有田さんのことを考えた人選だと思います。
『ネタパレ』では新人若手芸人を選出する際にネタの面白さを一番において見ますが、『有ジェネ』で選出する際には、ネタはそこまででも有田さんと小峠さんの前に出したときに何かしらの化学反応が起こりそうな人を起用しがちです。『ネタパレ』が輩出した四千頭身、ハナコ、ぼる塾など華のある芸人に『有ジェネ』に出てもらったんですけど、有田さんの判定は「失格!」でした(笑)
逆に、『有ジェネ』で激ハマりしたムラムラタムラという芸人がネタパレに出演したことがあったんですけど、南原(清隆)さんに全然ハマってなかったので、今後『ネタパレ』でムラムラタムラが見れることはないと思います(笑)。ネタと平場のセットで面白かった人なので、彼の良さを生かすことができなかったのは申し訳なかったですね。『ネタパレ』のオーディションでは、他のスタッフから「この芸人は有ジェネ向きですね」って言われることもありましたね(笑)
――『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日)でも、ほとんどテレビに出たことのない若手芸人を積極的に起用していますよね。
ラップができる芸人さんを掘り下げていった結果、思いの外たくさんいた!っていうだけです。そんな芸人さんたちのラップを始めたきっかけが、「『フリースタイルダンジョン』でした」と言ってくれる方が結構いて、そんな方たちが今度は出演者として番組を盛り上げてくれてることに、魂が引き継がれてる感があって感動を覚えましたね。
――『有ジェネ』はParaviに移行しましたが、地上波との変化はいかがですか?
一番大きな変化は、収録の本数ですね。有田さんがいろんな所でネタにしてましたけど、初回はなんと19本撮り(笑)。でも、不思議なもので積み重ねると慣れてくるんですね。なんて思っていた矢先に、YouTube版『有ジェネ』の配信が始まることになって、前回の収録では、合わせて39本撮りという新記録を更新しました(笑)
あとは、自由度が高いのでやりたいと思ったことが企画として実現しやすいですね。納言の幸さんに恋心を抱くアングラ芸人・スルメに密着した恋リア企画「スルメと幸」は必見ですし、新たなアングラ芸人の恋リア企画もスタートしますので、ぜひ見てもらいたいです。