――『夜会』をはじめ、『有吉ダマせたら10万円』(フジテレビ)など有吉さんとも結構番組をご一緒されていますが、最初の出会いはどこだったのですか?
それこそ、『神さまぁ~ず』の「ジェントルマンNO.1決定戦」が最初だったと思います。ちょうど(品川祐を)「おしゃべりクソ野郎」と言ったか言わないかくらいのときに、当時の界隈では「有吉さん、面白いぞ」ってウワサがすごいあったんですよね。
――『有吉弘行のダレトク!?』(カンテレ)や『有吉の夏休み/冬休み』(フジテレビ)をやられている長沼昭悟さんは、有吉さんのことを「超常識人だからバランス感覚に優れている」とおっしゃっていたのですが、その部分は感じますか?
それもありますし、やっぱり感覚が鋭いですよね。すべての番組で自分が求められていることが分かっていて、使い分けてるというか。『有吉クイズ』と『かりそめ天国』と『夜会』と『正直さんぽ』で全然違いますし、そこの見極めがすごいなと思います。
あと、僕らスタッフがぬるいことをしてるとバレるというのがあります(笑)。逆に、面白いものには本当に面白いと思ってもらえるので、スタッフはみんな「有吉さんに面白いと思ってもらえるものを作ろう」という気持ちが強くなりますよね。
――演者さんでも、『有吉の壁』を見てるとそういう気持ちを感じますよね。
有吉さんの番組って、スタッフや芸人さんに限らず、ゲストでVTRに出るような役者さんも「これ、有吉さんが見てるんですよね」と聞いてきたりする感じなんですよ。やっぱりみんな今、有吉さんに褒められたいんですよね。
――『夜会』のゲストの皆さんも、そんな感じですか?
みんなそうですね。もちろん櫻井(翔)さんに対してというのもありますけど、特に有吉さんに認められたいという気持ちが、皆さん強いと思います。あれだけ天下を取っちゃったんで、本当に若いうちに一緒に仕事してて良かったなあと思います(笑)
――『夜会』での有吉さんと櫻井さんは、やはり抜群のコンビネーションですよね。
そこは櫻井さんのすごいところで、嵐としてあれだけアイドルのトップに立っても、バラエティの現場に来ると「僕はバラエティを中心でやってる方々のところに入れさせてもらってるんで」という気持ちでいらっしゃるんですよ。あんなにスターで、あれだけバラエティもやってる人なのに。だから有吉さんへはもちろん、我々スタッフにもリスペクトの気持ちがすごいですし、バラエティへの敷居のまたぎ方というのが、こっちが「そんなに低い姿勢じゃなくても大丈夫です」って言いたくなるくらい、ちゃんとしてますよね。すばらしいです。
■国分太一が見せるたけしへの察知能力
――『櫻井・有吉THE夜会』は『櫻井有吉アブナイ夜会』からリニューアルし、演出を担当された『23時の密着テレビ「レベチな人、見つけた」』(テレビ東京)は『たけしのニッポンのミカタ!』からの番組ということで、いずれも水野さんは前身がある番組に参加するという形でしたよね。そこの難しさというのはあるのですか?
やはり前の人たちが作ってきたものがあるので、やりにくさというのはありました。『夜会』は、前の番組のスタッフが8割くらいそのままでスタートして、総合演出の僕だけが変わったみたいな感じで、最初は外様でしたよね。みんな良くしてくれましたけど、中には「なんであいつ偉そうにしてるんだ」という声もあったと思います。
――そこからどのように、自分の色というのを出していくのですか?
もう割り切って皆さんにお願いすることはするし、それで結果で出していくしかないなと思いましたね。僕に代わったタイミングで、ちょっとずつ視聴率が上がっていったりもしたので、みんながついてきてくれたというのがあると思います。
『レベチ』のほうは、局のCP(チーフプロデューサー)だけ残って前のチームが離れて、うちとBEE BRAINさんが新しく入るという感じだったので、ゼロから作るという感じでした。
――(ビート)たけしさんとお仕事されるのは、これが初めてでしたか?
特番で1回ご一緒しただけで、レギュラーは初めてでした。もちろん緊張感はすごかったですけど、やっぱりコメントがさすがですよね。最初の頃は、埋もれてるアーティストやとある学問に集中している人たちを紹介する内容だったので、アートにはものすごく造詣が深いですし、「この子はこの学問に選ばれてるからずっとこれをやったほうがいい」とかズバッとおっしゃたりして、その言葉を聞いていると、やっぱりすごいなと思いました。
――あの番組って、VTR中ずっとたけしさんと国分(太一)さんのワイプが出てるんですけど、たけしさんがいろいろしゃべってるのに声がほとんどONにならないのは、たけしさんがOAで使えないこと話してるんだろうな…と(笑)
その通りです(笑)。たけしさんって、スイッチが入るといろんなことをお話しになるのですが、それを我々が止めることはしないので(笑)
――国分さんも、たけしさんと長いタッグになりました。
国分さんは、VTRを見ながらワイプのリアクションと、たけしさんの話をうまくまとめてくれるという、こっちのやってほしいことを両方やってくれるし、やっぱり長年一緒にやられてるだけあるなあと、本当に思いますね。たけしさんが多くを言わなくても察知能力が速くて、たけしさんは国分さんがいるから、この番組をやってくれているというところもあるのではないかと思います。