5軒目は、車で移動して下北沢側の古着店「FILM」へ。「服を見ながら一番黙っていた人がランチおごり」というルールの中、3人は次々に試着していき、澤部とコカドが5万円超の買い物をするガチンコ感を見せた。
最後の6軒目は、昨年12月にオープンした下北沢の「202カリー堂」。結局、おごりはピンマイクを外して買い物をしていたコカドに決まり、スープカレーをオーダーしたところで、「発見!なりゆき最前線」というコーナーがはさまれた。
調査員のチャンカワイが世田谷代田周辺の今年オープンした店をレポートしていくのだが、こちらのコーナーは、住人にクチコミを尋ね、取材交渉するシーンなども撮影。チャンはジェラート、ハーブティー、ドーナツ、ハンバーガーの店を訪ね、さすがと思わせる巧みな食リポを見せた。このコーナーの構成と演出は『バナナマンのせっかくグルメ!!』に近く、変化をつけて2時間の中で飽きられることを避け、情報量を補足しているのだろう。
最後はスープカレーの食リポに戻り、再び澤部の「うま街道!」が飛び出したほか、松尾が妻とのなれそめを語り、コカドが『silent』の告知を行ったところで番組は終了。11軒ものスポットを紹介したが、2時間枠であり、トークの比重が大きい番組ではないことを踏まえると妥当なところか。
ただ、開始30分あまりが過ぎたところで、後半の予告映像をたっぷり見せていたのは、作り手側に「2時間はゆるいロケ番組には長い」という意識があるからかもしれない。ともあれ今回は『silent』の聖地巡礼ファンたちが、そのまま参考にできるようなラインナップだった。
文中でも触れたが、「もっともっと『silent』に便乗した構成にしてもよかったのに」と感じたのが正直なところだ。番組のカラーを守ったようにも見えるが、もしドラマ班とバラエティ班の関係性や、渡辺プロダクションが企画制作する番組だからなどの理由があるとしたら、この時代にはナンセンスだろう。「今、世田谷代田を扱う」と決めたのなら、とことんやるくらいの貪欲さがなければ、ネット上に情報があふれる時代で勝ち残っていけないのではないか。
休日のロケ番組では、土曜の『有吉くんの正直さんぽ』『タカトシ温水の路線バスで!』(フジ)と並ぶ定番であり、情報バラエティに偏りがちな他局にありそうでないジャンル。いずれも、ゆるさを感じさせるロケ番組だけに、ときどき今回のようなバズった自局コンテンツを活用するパターンがあってもいいのでは……と思ってしまった。
■次の“贔屓”は……18代王者に輝くのはどのコンビか? 『M-1グランプリ2022』
今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、18日に放送されるABCテレビ・テレビ朝日系バラエティ特番『M-1グランプリ2022』(18:34~)。
もはや説明不要のお笑い賞レースだが、第18代王者を決める戦いの模様が生放送される。出場者は、真空ジェシカ、ダイヤモンド、ヨネダ2000、男性ブランコ、さや香、ウエストランド、キュウ、カベポスター、ロングコートダディの9組に、敗者復活枠を合わせた10組。
最終話を迎える『鎌倉殿の13人』(NHK)、大型報道特番『報道の日2022』(TBS系)、映像集特番『ワールドドキドキビデオ』(日本テレビ系)、音楽バラエティ特番『これが定番!世代別ベストソング ミュージックジェネレーション』(フジ系)と各ジャンルの番組がそろう中、どれだけ視聴率と話題を得られるのか。