26位の立川は再開発が進み、ショッピングモールが多いため、「リトル新宿」と呼ばれていることをピックアップ。昭和記念公園、吉祥寺や八王子へのライバル意識、立川まんがぱーく、タチヒビーチなどが紹介された。
25位の武蔵小山はスルー。24位の笹塚は新宿と渋谷に近い割にはコスパがいい、商店街、惣菜店など。23位の豊洲は大型商業施設のみ。22位の元住吉は、高級住宅地の武蔵小杉と日吉の間で物価が安い、おしゃれなチェーン店が次々に出店しているなど。21位の麻布十番と20位の大宮はスルー。19位の西荻窪は、個人店が多い、人気ラーメン店、居酒屋が密集、若者の人気上昇でおしゃれなショップが増えたことなどが紹介された。
18位の新宿御苑前は「東京のセントラルパーク」こと新宿御苑など。17位の経堂はスルー。16位の大井町は商業施設、公的施設、レトロな飲み屋街、15軒以上の焼肉激戦区など。
15位のさいたま新都心はスルー。14位の下北沢は、新宿、渋谷、吉祥寺に電車1本で行けるアクセス、新旧入り乱れた個性的な街、看板そのまま居抜きショップ、家賃3万円の部屋に住む若者が「経営者を目指している」ことを明かし、“夢を追う若者の街”と締めくくった。
ここで趣向を変えて、“今後住んでみたい街ランキング”を紹介。その結果は10位が神楽坂、9位が自由が丘、8位が表参道、7位が麻布十番、6位が江ノ島・腰越・片瀬江ノ島、5位が恵比寿、4位が吉祥寺、3位が横浜、2位がみなとみらい・桜木町、1位が鎌倉だった。
しかし、今回の趣旨である“住んで良かった街ランキング”で鎌倉は131位。成田氏は「憧れって要は『間違っている』ってことなんですよね」とバッサリ斬り捨てたが、そもそも鎌倉に住んだことのある人が今回のアンケートにどれだけ答えたのか、疑わしいところがある。
■長嶋一茂の出身地・田園調布は?
13位の仙川はスルー。12位の流山おおたかの森は、子育てが充実しているため全国1位の人口増加率であり、ショッピングモール、送迎保育ステーション、ファミリーサポートセンター、児童手当の助成などのサポート、さらに大型温浴施設が紹介された。
11位の聖蹟桜ヶ丘は、『耳をすませば』のモデル、牧場、移住者の家を立て続けに取材、物件の安さ、夕陽の絶景など。10位の武蔵小杉は、交通の便利さ2位、タワマン、ビル風などがピックアップされ、成田氏は「日本人が住む需要は減っていく。外国人の投資目的。パリも同じで地元民が苦しんでいる」などとコメント。ここでも歯切れのいい語り口で番組にスパイスを利かせていた。
9位の三軒茶屋、8位の横浜はスルー。7位の溝の口は、川を隔てた二子玉川より安い、昭和風味の飲食街、たまいグループ、出会った人とすぐに仲良くなれる街など。
6位のみなとみらい・桜木町は、「移住した」という88歳女性の家を取材。飲食店の充実部門2位、野毛に600軒の飲食街など。5位の越谷レイクタウンは、イオンレイクタウンで商業施設の充実度1位、デューク更家の無料レッスン、食べ放題天国。4位の藤沢は、江の島、コスパ部門3位、魚介の詰め放題、デカ盛り店などが紹介された。
ここでカウントダウンを一旦休んで、51位から100位までを一気に紹介。ランクインしなかった街の住人に対するフォローだろうが、その理由や獲得ポイントが明かされず、乱暴な印象が残った。納得感やリアリティを打ち出したコンセプトだけに、「ここにランクインした街」「ここにすらランクインしなかった街」の住人はモヤモヤを感じたのではないか。
案の定、一茂の出身地・田園調布はランク外。ただ、これも前述したように、「田園調布に住む人がLINEのアンケートに答えたのか」と疑わしいところがある。
3位の元町・中華街は、「観光地でありながら家賃相場が安い」という紹介のみで終了。2位のセンター北・南は、横浜の港北ニュータウンにあってグリーンラインとブルーラインが通る、大型商業施設・レジャー施設・公的施設のすべてがそろう、1㎞の間に10軒超のスーパーが並び立つなどがピックアップされた。
■納得感は微妙でもエンタメ度は上々
最後に発表された1位は吉祥寺。都心へのアクセス、1㎞以内に1,000軒以上の店、井の頭恩賜公園などが挙げられ、「街と自然の調和で愛されている」などが理由として紹介された。
ただ、この結果を見て、「『ここに住んでいる自分が好き』『この街に住んでいることを人に言いたい』というような自己肯定感の高い人が多い街ほど上位に来るのではないか」と感じてしまった。
上位では、10位の武蔵小杉、9位の三軒茶屋、8位の横浜、6位のみなとみらい・桜木町、3位の元町・中華街あたりにも吉祥寺と似たものを感じさせられる。当番組は「印象や憧れではないリアルな声」が売りのランキングだったはずだが、上位に行くほど首をかしげてしまった。
このランキングは商業施設や飲食店の比重が高いのだが、たとえば「自分の住む街にあるより隣街や沿線にあるくらいのほうがいい」という人も少なくないだろう。結果的に、「“憧れ”と言われる街のランキングとそれほど変わらない結果だったのではないか」という印象が残った。
そもそも関東は大きく分けて主に、独身層に人気の街、ファミリー層に人気の街、両者が混在する街の3つがあり、異なる魅力がある。だからこそアンケートの回答者は独身者が多かったのか、ファミリー層が多かったのか、それとも、同じくらいなのか。その割合によって結果は異なるだろう。
ちなみに1位の吉祥寺が7,980ポイントで、50位の浦和が7,380ポイントと、その差が小さかったのはなぜなのか。この手のアンケートは項目や採点基準によって結果が大きく変わるだけに、その難しさを改めて感じさせられた。
今回の特番を見て納得感やリアリティを感じた人はあまり多くなかったのではないか。ただそれでも、ランキングというコンテンツは、いろいろ言いながら家族や友人たちと見たり、SNSで盛り上がったりできるエンタメ性が高い。
番組を通して、地道な現地取材と丁寧な編集は素晴らしかったし、交通や衣食住の情報を散りばめたバランスも上々。これだけ街の紹介をすれば、内容的にかぶってしまうものだが、たとえばグルメ1つとっても料理や店が似ないような構成が徹底されていた。『住んで良かった!街ランキング』は、今回の気づきや反省を踏まえつつ、年に一度程度の放送を期待したい。
■次の“贔屓”は……初の2時間特番で明石家さんまも登場!『ワルイコあつまれ』
今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、29日に放送されるNHK Eテレの教育バラエティ番組『ワルイコあつまれ』(21:00~)。
昨年9月に新しい地図が出演する特番としてスタートしたあと、今年1月1日の放送を経て、4月からレギュラー放送がスタート。香取慎吾の“慎吾ママ”が見られるほか、3人が『SMAP×SMAP』(カンテレ・フジテレビ系)以来のコミカルなキャラクターを演じている。
初のゴールデンタイム放送となる今回の特番には、明石家さんまや山本耕史らが出演するなど、その内容は豪華そのもの。新しい地図にとってこの番組はどんな意味があるのか。今後の可能性も含め、掘り下げていきたい。
※当初予定していた『イタズラジャーニー』は、日本シリーズ中継のため休止となります。