篠原かをり

木村さんのエピソードも、最後はハートフルなモードに一変。「お友達もたくさんできたし、好きだから健康でいようと思うし、感謝です」というコメントと、リンドくんの誕生日にタイヤをプレゼントするシーンが映され、「きっと明日も明後日も木村さんはリンドくんに会いに行くことでしょう。嗚呼!! 愛おしい」というナレーションで終了した。

さらに、次週予告で紹介されたのは、「地元水族館に通い続けて12年、飼育員のコスプレをする中学生」。お年寄り2人の翌週は子どものガチ恋さんをピックアップするということか。

ホームページの番組紹介欄には、「『動物以上に愛おしく思える動物好きな人』を“ガチ恋さん”と呼び、彼らを見せて、褒めて、讃えて、愛していきながら、『本当の動物の面白さ』を紹介していく、兎にも角にも笑って学べる動物番組です!」と書かれている。

全国に動物好きは多くても、笑いにつながるほど面白い人はどれくらいいるのか。重要なのは「褒めて、讃えて、愛して」の部分をしっかり伝えるとともに、できるだけドキュメントタッチで人柄を見せていくこと。日テレバラエティは緻密な編集を強みにしているが、スタッフが作為的に笑いを作ろうとするほど視聴者の心は離れていくのではないか。

もう1つピックアップしておきたいのは、大学教授など専門家のコメントを入れることで、視聴者からの「虐待ではないか」などのクレームを未然に防いでいたこと。近年、動物番組はクレーム対策に悩まされ、保護動物を扱う企画が大半を占めるようになっていた。また、それが動物番組全体の人気低下にもつながった感があるだけに、当番組の思い切ったリニューアルが成功したら他局への影響は必至だろう。

出演者の中でキーマンとなりそうなのは、動物調査員・篠原かをり。制作サイドは、「慶應義塾大学&大学院卒。現在も日本大学大学院の現役学生さんなのに、動物にまつわる数多くの本を出版。これまでふれ合ってきた動物は数万匹。ついた異名は“女ムツゴロウ”」と、彼女のプロフィールを前面に押し出していた。篠原が番組コンセプトの“ガチ恋さん”を体現する存在であり、リニューアルの鍵を握るニュースター候補なのかもしれない。

■次の“贔屓”は……今春は女性たちのトーク番組が3本スタート 『ドーナツトーク』

(左から)ヒコロヒー、鷲見玲奈、ゲストの武田真治 (C)CBC

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、24日に放送されるCBC・TBS系バラエティ番組『ドーナツトーク』(毎週日曜23:30~)。

今月3日にスタートしたばかりのトークバラエティで、次回が4回目の放送。水野美紀、ヒコロヒー、鷲見玲奈、PORIN(Awesome City Club)という4人のMCと1人のゲスト、さらにオンラインで50人の女性が加わる形でトークを展開している。

今春は『上田と女が吠える夜』(日テレ系)、『トークィーンズ』(フジテレビ系)という女性のグループトークを軸に据えた新番組がスタートしただけに、両番組との違いも掘り下げていきたい。