トリの13本目は、松本人志が手がけた「落ちる」で、さまぁ~ず・大竹一樹、豊本明長、岩崎う大、長谷川忍が参加。「落ちる」というトリッキーと「チェッカーズ」というノスタルジーをミックスさせたコントだったが、何より踊りまくるノリノリのコント師・松本人志の姿が目を引いた。昭和の頃は松本より年上の芸人がコントに出演して笑いを振りまいていただけに、令和でもベテランのコントをもっと見せていいかもしれない。

最後はエンドロールに合わせてメイキングやNGの映像が流れるなごやかなムードの中、松本の「また頑張りましょう」という締めの言葉で番組は終了。13組ものコラボコントを3時間にわたって放送したのだから、順位などを決める必要性こそないが、もう少し芸人たち本人の総括が聞きたかった感がある。

前述したもの以外に、「松本さんから言われたらうれしいこと」「浜田に関する緊急速報」というブリッジコント6本が放送され、今回も「詰め込めるだけ詰め込んだ」という構成だった。

第2弾も『キングオブコントの会』でしか見られないレジェンドと王者のみのユニットが見られる貴重さ、希少さは健在。「豪華なメンバーを集めるほど笑いの量が増える」とは限らないが、コント職人たちの技術で完成度が高くなっていたのは間違いないだろう。

また、それぞれの世界観を生かした設定が多い上に、細部の美術までこだわったセットの豪華さもあって、ネタ特番というより映像作品集のような印象もある。ただ、番組全体も各コントも長尺なだけに、若年層の中には「面白そうだけど見ない」という人もいるのではないか。

いずれにしても、13本を放送しながらコントの世界観は見事に色分けされていた。コントに限らずすべてのネタ番組の中で、「今最も贅沢なコンテンツ」と言っていいのではないか。

だからこそ物足りなさを感じさせたのは、コント終わりのトークパート。ネタの作り方や稽古の裏話など、さまざまな内容があった反面、どれも短いものに留まり、消化不良だった。人気と実力を兼ね備えた顔ぶれの「1回限りの豪華コラボ」だけに、YouTubeなどでトークの長尺版を見せてもらいたいところだ。このあたりは同じテレビ局が作っているコンテンツでもドラマのほうが圧倒的に進んでいて、ファンサービスにつなげている。

昨年の放送時は、視聴率報道をめぐる松本人志のツイートが物議を醸し、「コア視聴率」が世間に知れ渡るきっかけとなった。ただ、それに恐れをなしてか、今年の視聴率を報じるメディアはほぼいない。

『水曜日のダウンタウン』(TBS系)がそうであるように、『キングオブコントの会』は、コア視聴率や配信数が期待できる以上、世帯視聴率や個人視聴率全体の数値に大きな意味はないだろう。よほどの事がない限り、今秋に決定されるであろう今年の王者を加えての第3弾が期待できそうだ。

■次の“贔屓”は……今春リニューアルで番組内容が激変!『嗚呼!!みんなの動物園』

日本テレビ

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、16日に放送される日本テレビ系バラエティ番組『嗚呼!!みんなの動物園』(毎週土曜19:00~)。

前週、『I LOVE みんなのどうぶつ園』から『嗚呼!!みんなの動物園』に番組名が変わり、番組内容も大幅にリニューアルされたばかり。どこがどう変わり、どんな狙いがあるのか。当番組に限らず、動物番組全体に変化をもたらすリニューアルになりそうなムードが漂っているだけに、早い段階からチェックしておきたい。