番組はCMをはさんで、放送されなかったJOYのネタを10秒程度チラ見せしながらParaviでの配信をPR。Paraviでどれだけの人が見るのか未知数だが、ここでも「人気芸人が放送されなかったほうが配信再生数は伸びるのではないか」と思ってしまった。
前週の放送で淳が「スタジオ(にいる芸人たち)の金メダルが少なすぎるよね」と語っていたが、もちろん芸人が意地を見せて金メダルを奪い返す展開になれば、それはそれで盛り上がるだろう。
最後に次週放送の「Joker・JOYの逆襲」をほのめかして番組は終了。気になったのは、「JOYが次週どんなネタをするか」より、番組が1つのプログラムで終わってしまったこと。レギュラー化してからの2回は、それぞれ2つのプログラムを放送していたため、ネタ数が半減してしまったことになる。
試行錯誤中なのは分かるし、今回だけかもしれないが、「30分番組でショートネタを4本のみ」という構成は、あまりに物足りない。その分、「トークパートを充実させよう」という意図は伝わってきたが、ならば現在あえてスタジオに呼んでいないJokerも参加させるなど、まだまだ改善の余地はありそうだ。
さらに前2回は、人気者のオードリー・春日俊彰に、昨年の『キングオブコント2021』(TBS系)で優勝の空気階段、準優勝の男性ブランコをそろえた布陣だっただけに、申し訳ないが出演芸人のスケールダウンも気になってしまった。
短いネット動画に慣れた人の多い今、ショートネタの需要が高まっているのは間違いない。事実、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)では30秒のネタで競う「30-1グランプリ」、『お笑いオムニバスGP』(フジテレビ系)では1分に1回必ず笑える「バク速-1GP」。大喜利というコンテンツの再評価もその1つだろう。ちなみにハリウッドザコシショウは自身のYouTubeチャンネルでネタ時間1秒の「1秒-1GP」を配信した。
TBSに限らず民放各局が若年層に受けるショートネタの番組をどう作っていくのか。『ラフ&クライ!』も、そのヒントを探る上で業界関係者にとって気になる番組だろう。ひいては、当番組が放送されている日曜昼すぎのバラエティ枠『日曜グランプリ』は、芸人とクリエイターの成長に貢献しているという点も含め、トライアル枠としての期待値は大きい。
■次の“贔屓”は……放送13年目で初のゴールデン特番! 『スクール革命!』
今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、28日に放送される日本テレビ系バラエティ番組『スクール革命! presents ムービークイズ! 時間よ止まれ』(19:00~ ※一部地域除く)。
今回は、放送13年目にして初のゴールデン特番。1秒ずつ減点される映像クイズに答える「ムービークイズ! 時間よ止まれ」のほか、Hey! Say! JUMP3人のダンス対決もあるという。
関東ローカルながらエンタメ性の高い企画が多く、同番組の視聴者層はアイドルファンに留まらず、業界評価も高い。13年目のゴールデン進出にはどんな意味があるのか。