最後はNiziUが登場し、それぞれ特技のMAKOの高速ダンス、MAYAの似顔絵、NINAの口芸、AYAKAの風船早ふくらましを披露。「すごいものから始めてグラデーションのようにダメになっていく」という構成はいかにも、さんま好みに見えた。歌ったのは、「Chopstick」。

パフォーマンス後、リーダーのMAKOは真摯(しんし)な表情で「さんまさんと素敵なアーティストの方々の生のパフォーマンスを見ることができて、すごく心も温かくなって今年の寒い冬も乗り切れそうだなって」とコメント。すかさず、さんまから「何そのまとめ方。そんなん昭和の司会者やで。NiziU、“これから”やから」とツッコミを入れてオチをつけた。

エンディングはアーティストを帰らせて、さんまひとりに。“紅白”とうたっているだけに、紅組のAI、NiziU、miletと、白組の鈴木雅之、DISH//の勝敗を発表するという。ドラムロールが鳴り、さんまの「紅組です! 今日は面白さで勝者が決まりましたね」のひと言で番組は終了。miletがさんまにハマりまくっていただけに当然だろうが、やはり最後まで“紅白”というフレームに必然性は感じられなかった。

1つ気になったのは、選曲のコンセプトとPRについて。どうせなら「本家の『紅白歌合戦』とは違う楽曲をやります」などと言い切ったほうが差別化できるだけでなく、ファンも喜ぶのではないか。あるいは、『明石家紅白!』なのだから鈴木雅之がそうだったように、すべて「さんまのリクエスト」という形でいいかもしれない。民放各局で大型音楽特番が多い時期だが、NHKなら大人の事情うんぬんや視聴率狙いは言い訳にできないはずだ。

さんまは1曲ごとに幸せそうな笑顔を見せていたし、それはアーティストたちも同様。トーク席の真横にステージを設けているだけあって、スタジオにはアーティストがリスペクトし合うようなムードが漂い、MCを中心に広がる笑顔と一体感があった。そして、それは制作陣が視聴者に届くことを前提にしたものだろう。

さんまは話術で笑わせるだけでなく、自らも常に笑顔で振る舞うことで、視聴者をより笑顔にできる音楽番組を作り上げていた。今回放送されたAIの「ハピネス」にある「君が笑えばこの世界中にもっと幸せが広がる」というサビの歌詞が『明石家紅白!』の本質的なところなのかもしれない。

■次の“贔屓”は……ダウンタウンMCの大型年末特番! 『お笑いアカデミー賞』

ダウンタウンの松本人志(左)と浜田雅功 (C)TBS

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、25日に放送されるTBS系バラエティ特番『お笑いアカデミー賞2021』(19:00~)。

そのコンセプトは、「総合司会・ダウンタウン 2021年、各ジャンルで最も活躍した芸人を表彰する年に一度の“笑い”の祭典!!」「50名以上の人気芸人が大集合! 全6部門のノミネート芸人を一挙発表!」と、実に単純明快かつ豪華絢爛。

6部門の内容は、「最優秀多忙賞」「最優秀かくし芸賞」「最優秀バズりゲーム企画賞」「最優秀話題賞」「最優秀ドラマ演技賞」「最優秀福男芸人賞」が用意されているほか、ダウンタウンとおぼん・こぼんの初対面などもあり、1年を振り返るようなお祭りムードが期待できそうだ。