トークのハイライトは、空手の名門高校時代からの親友・馬崎聖さんのコメント。現在でも「よく泊まりにくる」というガチの親友にMC・山崎が自らリモートでインタビューし、「マイペースで優柔不断。ご飯を何食べるか決められない」などの素顔を引き出した。

ここで制作サイドは清水選手に「私の中の、もうひとりのワタシクイズ」を出題。「馬崎さんが清水選手に直してほしいところは?」という問題が出され、正解は「私の家が2階なので静かに歩いてほしい」「空手のときと同じで(音を立てて)歩くんですよ」だった。これに清水選手は、「かかとから入ってしまうので、自分の家でも『静かに歩きなさい』って怒られるんです」と苦笑い。

さらに、馬崎さんが東京オリンピックで清水選手の試合中、ボランティアとして同じ会場で見守っていたというエピソードを紹介。「やるって決めたのも『希容のそばにいれたらいいな』って思っていたので」「『変わらずそのままの希容でいてほしいな』って。これからもずっとおばあちゃんになっても仲良くしてほしいなって思います」という絆を感じさせるコメントが流れ、感動的なムードに包まれた。

これを見て『おしゃれカンケイ』時代の「16小節のLOVE SONG」を思い出してしまったが、もしかしたら令和の現在も当時くらいベタな演出があっていいのかもしれない。ただ、クローゼットをはじめとするシリーズ最高の“おしゃれ”演出とは真逆のムードだけに、それはなさそうだ。

最後に山崎が「清水さんにとってのおしゃれとは?」と尋ね、清水選手の「自分を変えてくれる。成長させてくれるものだなと思います」というコメントでトークは終了。山崎は「何かファンになりました。ギャップも」、井桁も「こういう服装もまたこれからいっぱいチャレンジしてほしいです」と話してさわやかなムードで締めくくられた。

■ラストの写真撮影はなぜ必要なのか

ただ、これで終わらないのがこの番組。山崎が「僕が『一番かわいい希容さんを写真に残したい』と思っておりますのでよろしくお願いいたします」と申し出て、写真撮影が始まった。

山崎は「いげちゃん、(清水さんを)笑わせてあげて」「今すごくかわいいの撮れた」とノリノリで撮影し、最後に写真を公開して番組終了。わざわざCMをはさんで撮影を行っているにしては普通の写真であり、山崎がカメラマンを務める必然性もなく、番組タイトル先行の感があった。この「最後の撮影タイムをどのように意義のあるものにしていくか」も番組の課題と言えるだろう。

この新番組も過去の『おしゃれ』シリーズと同じ資生堂の一社提供であり、番組内のCMには石田ゆり子、長澤まさみ、常盤貴子、原田美枝子、宮本信子、広瀬すず、内田恭子が出演。MCの2人だけでなく、番組全体もCMもスタイリッシュかつスマートなトーンでまとめられていたが、画面4角中の2~3角に表示されるテロップがそれを削いでいた。

これまでゲストの人選は、反町隆史、きゃりーぱみゅぱみゅ、清水希容選手で、次回は三代目J SOUL BROTHERS・山下健二郎。40代俳優、20代アーティスト、20代アスリート、30代のダンスパフォーマーと、年齢、性別、職種のすべてがバラバラなのは狙いなのか。

また、きゃりーのときはクローゼットでのトークタイムが多めに取られたほか、井桁と「ナイトブラ派」の話で盛り上がるなど、明らかにトークの質が高かった。トークバラエティにはつきものの課題だが、少なくとも山崎と井桁が慣れるか、テコ入れされるまでの間は、「盛り上がりはゲスト次第」という状況が続いていくのかもしれない。

最後に、気になったところをもう1つ。前回の予告で清水選手が着飾って変身したあとの映像を見せていたが、このようなネタバレは日テレの番組に目立つ光景。きゃりーのときはそれがなかったことから、「清水選手では数字が獲れないかもしれない」という不安の表れなのかもしれないが、もう少し視聴者ファーストで考えるべき時代が来ている。

■次の“贔屓”は……朝と深夜の1日2回放送でどんな違いが? 『あさモヤ』『モヤさま』

さまぁ~ずの大竹一樹(左)と三村マサカズ

今週後半放送の番組からピックアップする“贔屓”は、30日に放送されるテレビ東京のバラエティ番組『あさモヤさまぁ~ず2』(毎週土曜5:30~)と『モヤモヤさまぁ~ず2』(同23:00~)。

今秋から、それまで日曜21時台だった『モヤさま』が土曜23時台に移動し、さらに土曜朝に『あさモヤ』がスタート。「朝と深夜の1日2回」という異例の放送になったことで、どんな違いが生まれたのか。

今回は『モヤさま』が浦和周辺、『あさモヤ』が北新宿を街ブラするというが、さまざまな角度からチェックしていきたい。