スタジオでここまでの結果を受けたトークが少し交わされたあと、10位 長野県、10位 石川県、9位 奈良県、8位 長崎県、7位 福岡県、6位 神奈川県、5位 大阪府、4位 東京都、3位 沖縄県、2位 京都府、1位 北海道を立て続けに発表。1位と2位が12年連続で変わらなかったことを見れば「このランキングが盛り上がるのは最下位争い」ということが分かる。
38位 滋賀県、39位 福井県、40位 鳥取県、41位 栃木県、42位 山口県、42位 徳島県、44位 群馬県、45位 埼玉県までが発表されたところで映像はストップ。最後に残された2県の魅力を紹介するVTRを特別扱いするように流したあと、ドラムロールが鳴らされる仰々しいムードの中、46位 佐賀県、47位 茨城県が発表された。
それぞれ簡単な観光情報が添えられ、時にクイズや名物料理の試食を交えての発表だったが、順位以外の楽しみ方はほとんどなかったと言っていいだろう。せっかくの生放送も、トークの配分は極めて少なく、クイズと試食は収録と変わらないものに過ぎなかった。
唯一、生放送の面白さを感じさせたのは、田中社長が長々と話し続けてしまい、ブツ切れ状態で番組が終わってしまったこと。これは残り時間わずかで一般人の田中社長に話を振った上田晋也の小さなミスだったが、むしろこれくらいのハプニングがあったほうが生放送らしくてネット上も盛り上がる。
もし日テレが今回の生放送で最後のシーンを反省しているとしたら、先の見通しは暗い。問題はそこではなく、「初の生放送」と打ち出しながら、ランキング発表以外で臨場感を生み出すことができなかったことにある。そもそもこのランキングは日テレが作ったものではないだけに、この構成は消極的すぎたのかもしれない。
■「マジメや地味」をカバーする工夫
一方、日テレらしい丹念な編集は健在で、技術的な点での不足は一切感じなかった。文字、イラスト、写真、楽譜、グラフなどで、カラフルかつ明るい画面を作り込み、ナレーションも適所に挿入。小刻みなカット割りやクイズ出題など、飽きさせないための小さな工夫が随所に施され、「手間を惜しまない」という制作姿勢は変わっていなかった。
それは「番組の性質上、どうしてもマジメで地味なテーマが多くなるため、カバーするための工夫が必要」という側面もあるのだろう。例えばテロップ1つ取っても、画面に明るさを生む白字をベースにし、赤字や青字にも白の縁取りをする徹底ぶりが見られた。
カラフルで明るいムード作りは画面だけでなく、スタジオセットなどにも表れていたが、だからといって日テレの狙うファミリー層や若年層に見てもらえるわけではないのが難しいところ。堺正章が75歳、上田晋也が51歳、有田哲平が50歳とメイン3人が高齢化している上に、前番組が相葉雅紀の『I LOVE みんなのどうぶつ園』、後番組が櫻井翔の『1億3000万人のSHOWチャンネル』に変わったことで、浮いた存在になっている感は否めない。
ただでさえこの番組は、「日テレのゴールデン・プライム帯バラエティで最も出演者と視聴者の年齢層が高いのではないか」という声がある。今回の視聴率は個人全体が5.0%、世帯が8.2%で、日テレが重視するコアターゲット(13~49歳)の個人視聴率も3%台と聞いた(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。
だからこそ、生放送であることをフル活用してTwitterのトレンドワードを席巻するような仕掛けがほしかったのではないか。「生放送の意味なかった」というコメントが見られたように、視聴者にその姿勢は見透かされている。
■次の“贔屓”は…“くりぃむシリーズ”が日曜夜に降臨!『くりぃむナンタラ』
今週後半放送の番組からピックアップする“贔屓”は、17日に放送スタートするテレビ朝日系バラエティ番組『くりぃむナンタラ』(毎週日曜21:55~ ※初回1時間SP)。
テレ朝の深夜帯で放送されてきた“くりぃむシリーズ”の新たなブランドであり、同シリーズは奇しくも『世界一受けたい授業』と同じ2004年10月にスタート。だからこそ長年の歴史で生まれてきた「ビンカン選手権」「ミニスカート陸上」など人気企画の復活が確実視され、シリーズのファンたちを喜ばせている。
初回1時間SPでは、Snow Manの目黒蓮と東京五輪柔道金メダリストのウルフ・アロンを遠隔操作するドッキリ企画「人間インストール」を放送。『くりぃむクイズ ミラクル9』と完全コラボしたスケール感も含め、期待値は高い。