コロナ禍をきっかけに、ビジネスにおけるオンラインの活用が一気に進んだ。商談やプレゼンテーションをオンラインで行うことも少なくないだろう。オンラインとオフラインでは環境はまったく異なる。プレゼンテーションにおいても、必要なテクニックは違ってくるはずだ。
10月20日に開催されたTECH+セミナー「セールステック Day 2021 Oct.顧客との関係性をより深める」に、日本マイクロソフト 業務執行役員・エバンジェリストであり、プレゼンテーションの達人として知られる西脇資哲氏が登壇。オンライン時代ならではのプレゼンテーション術が語られた。
オンライン時代に高まる「伝える」ことの重要性
西脇氏は日本マイクロソフトで業務執行役員・エバンジェリストを務めながら、日本デジタルトランスフォーメーション推進協会のアドバイザーやITビジネスコミュニケーション協会の理事など、多方面で活躍する人物である。「エバンジェリスト」は、直訳すると「伝道師」だ。製品やサービスについてわかりやすく伝えることが役割であり、西脇氏はそのプレゼンテーション能力の高さから日本屈指のエバンジェリストとして知られている。
オンラインでの商談やセールスが当たり前になった昨今、西脇氏はどのように「伝え」ているのだろうか。
「(セールスの在り方を変えるためには)デジタルツールだけでなく、人や組織、メッセージ、伝え方も変える必要があります。メッセージを正しく伝えることで、”無関心”だった層に”関心”を持たせ、協力者にできるからです」(西脇氏)
メッセージを正しく伝えるために、何ができるだろうか。もちろん、コンテンツ(話の中身)も重要だが、昨今はそれ以上に「メッセージを伝える力」の重要性が増している。もはや、昔のように「いいものを作れば売れる」時代ではない。いいものを作ることを前提とした上で、その良さをしっかりと顧客に「伝える」ことが求められているのだ。
そんな時代にあって、西脇氏が特に注目しているのが動画である。西脇氏によると、動画は文字情報よりも2倍記憶に残りやすく、触れる情報量は5,000倍にもなるため、伝えられる情報量が桁違いに多いという。
では、動画を活用してより良く”伝える”には、どのような工夫をすればいいのだろうか。