これまでインターネットを主軸としたビジネスを中心に展開してきたDeNA。同社はもう1つの事業の柱にAIを据え、新しいビジネス機会の創出に精力的に取り組んでいる。

4月25日~27日に開催された「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション・マネジメント & データセンター サミット 2018」では、ディー・エヌ・エー 経営企画本部 IT戦略部 部長 成田敏博氏が登壇。「次代を見据えるDeNAのIT戦略」と題し、同社のIT戦略と具体的な施策の内容について語った。

4月25日~27日に開催された「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション・マネジメント & データセンター サミット 2018」で行われた講演「次代を見据えるDeNAのIT戦略」では、ディー・エヌ・エー 経営企画本部 IT戦略部 部長 成田敏博氏が登壇し、同社のIT戦略と具体的な施策の内容について語った。

3つの領域にフォーカスした新規事業

成田氏は、冒頭でDeNAのビジョン「インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして世の中にデライトを届ける」を紹介し、同社が破壊的な変化が進んでいる現状に危機感を抱いており、常に新しいことに取り組もうとしていることを強調した。

ディー・エヌ・エー 経営企画本部 IT戦略部 部長 成田敏博氏

DeNAと言えば、ゲームやコマースのようにインターネット関連事業をイメージするが、最近ではインターネットに加えてAIも事業エンジンの1つになりつつあるのだという。成田氏は、ビジネス領域に関しては「インターネットとAI」「パートナリング」「事業化能力」の3つが強みだと語り、具体的な取り組みの内容を紹介した。フォーカスしている領域は、「オートモーティブ」「ヘルスケア」「スポーツ」だという。

オートモーティブ分野でまず挙げられたのは、自動運転バス「Robot Shuttle」だ。栃木市、横浜市金沢動物園、九州大学伊都キャンパスなど、さまざまな場所でラストワンマイルの移動を安全に行う取り組みを進めている。ほかには、ヤマト運輸をパートナーとする次世代配送サービス「ロボネコヤマト」、日産自動車と共同で進める無人運転車両の交通サービス「Easy Ride」、神奈川県タクシー協会と共同で進めるタクシー配車アプリ「タクベル」の開発もある。

ヘルスケア分野では、家庭で気軽に遺伝子検査ができるよう、東京大学医科学研究所と共同で遺伝子情報検査サービス「MYCODE」を提供しているほか、旭化成ファーマや塩野義製薬をパートナーにAI創薬技術の実証実験を機械学習で高速化する取り組みも進めている。 また、スポーツ分野に関しては、横浜ベイスターズのオーナーであることから、アスリートのパフォーマンス向上に先端的なテクノロジーを活用しているのだという。

これらの取り組み事例は、全てパートナーと共同で進めているのが共通点だ。いずれも各事業部が進めているものだが、成田氏がリーダーを務めるIT戦略部の取り組みはにどのようなものがあるのだろうか。