[2ページ] : Evernoteを辞めてCTCを選んだ理由
[3ページ] : たかがバツボタン、されどバツボタン。デザインへのこだわり
[4ページ] : コミュニケーションデータを人事に活かす
[5ページ] : Tocaroの理想は「社内人脈のGoogle Maps」
米シリコンバレーで生まれたスタートアップは数知れず、何気なく利用している横文字のWebサービスの多くはここで生まれ育った。そのうちの一つ、ビジネス用途などで利用されるノートアプリ「Evernote」の会社に、日本人が、しかも新卒で入社した人がいたのをご存知だろうか? それが現在、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)で「Tocaro」の製品総責任者を務める近藤 誠氏だ。
Dropboxと迷ってEvernoteを選択
近藤氏は2009年、東京大学経済学部からスタンフォード大学大学院技術経営専攻に進学。スタンフォード大学在学中の2010年に、Evernoteに出会ったという。
「学内の体育館で開かれたスタートアップの展示会、名の知れた企業から立ち上がったばかりの企業まで多数の企業が参加していた。2010年当時、担当者と話して心を掴まれたのは2社。それが、DropboxとEvernoteでした。日本語サポートだけを求められたDropboxと異なり、日本に関連する業務のすべてを担えるかもしれないということでEvernoteにまず訪問することに。ただ、スタンフォード大学は頭のいい人がいくらでもいます。
『会社に遊びに来なよ」と気軽に誘ってくれたとはいえ、このチャンスを逃したらダメだと思い、事前に履歴書や提案書を準備して『2分だけ時間をくれないか』と伝えました。そして、日本のドコモ・キャピタルから出資を受けていた点を引き合いに、企業サイトやブログの日本語執筆、お問い合わせサポート、日本メーカーとの折衝など、自分なら会社に貢献できるとつたない英語で説得して売り込みました(笑)」(近藤氏)
インターンとして近藤氏が入社した当初の従業員数は50名程度。「今、正規ルートで入ろうとすると確実に難しい」(近藤氏)という当時の環境だからこそ、日本語の問い合わせから日本に関連する事業開発まで、すべてを引き受けた。当初は大学院の卒業と同時に帰国する予定だったが、近藤氏はそのままEvernoteに入社することを決めた。
[2ページ] : Evernoteを辞めてCTCを選んだ理由
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[4ページ] : コミュニケーションデータを人事に活かす
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