エーオンヒューイットジャパンとコーナーストーンは10月11日、「社員エンゲージメント」に関する2016年グローバル調査結果について、合同記者説明会を開催した。同調査は毎年エーオンヒューイットが実施しているもので、日本人の社員エンゲージメントは長年にわたり世界で最下位に位置し続けているという。説明会では、最新の調査結果を元に、社員エンゲージメントの重要性や、日本企業が社員エンゲージメントを高める方法などについて解説がなされた。
「社員エンゲージメント」が注目されるワケ
1990年代後半から実施される「グローバル社員エンゲージメント調査」では、毎年1,000社以上の社員エンゲージメント調査を行っている。今回発表された結果は、170カ国・約9,000社・社員900万人以上(内、日本人は9万6,887人)の回答に基づく。調査はエーオンヒューイットが独自に開発した手法によるもので、「企業ブランド」「リーダーシップ」「パフォーマンス」「業務」「生活の質」「会社の諸制度」の6つの領域でエンゲージメントに関する約100の設問を用意し、その回答から、社員のエンゲージメントレベルとその向上に大きな影響を与える要因を定量的に分析しているという。
エーオンヒューイットジャパンの代表取締役社長 楠見スティブン氏 |
エーオンヒューイットジャパンの代表取締役社長 楠見スティブン氏は、「調査を実施するなかで、社員エンゲージメントが業績と非常に高い相関関係があることがはっきりしてきました」と説明する。
ここで言うエンゲージメントとは、社員の満足度やコミットメントではなく、「どの程度主体的に、会社のビジネス向上に影響を与えるような行動をとるか」を意味する。
社員エンゲージメントの向上/低下には、さまざまな要因が影響する。社員にとっては、自身のキャリアパスが見えるかどうかや自身の能力を高められるかどうかといった職場環境が重要であり、その良し悪しがエンゲージメントに反映されることになる。
一方、企業側は、そんな社員のエンゲージメントを高めたり、維持したりするために、個々の社員が持つスキルを把握し、それをどのように活用すればビジネスの成果を出せるかを意識しなければならない。
「特に、若い従業員とはかなり高い密度でコミュニケーションを取ることがエンゲージメントの向上につながるという結果が出ています」(楠見氏)