[2ページ] : 「まずはFacebookとの出し分けから」
[3ページ] : 「モバイルへの最適化が鍵」
[4ページ] : 「海外ユーザーへのアプローチ」
グローバルで17億人のユーザーを抱えるFacebook。ただでさえ強大なプラットフォームだが、その傘下にはメッセージアプリの「Messenger」「WhatsApp」がそれぞれ10億人、そしてビジュアルSNSのInstagramが5億人のユーザーを抱えている。日本においてもFacebookが2600万人、Instagramが1200万人の利用者を数え、アプリを開かない日はないという人も多いのではないだろうか。
ユーザーベースが大きければ大きいほど、露出効果を見込みやすく、広告の出稿先として魅力的な媒体となる。実際にInstagramでは、広告の一般開放からおよそ1年が経った9月に広告主が世界で50万社を突破し、ビジネスプロフィール利用ユーザー数も150万社を超えたそうだ。
一方で、Instagramは「ラグジュアリーブランド」のような位置付けのSNSで、「そもそも自社に合った出し先ではない」「ブランディングは求めていない」「クリエイティブコストがかけられない」といった理由で出稿しないといった話も耳にする。
そうした声に対してFacebook Japan 執行役員 Head of Client Solutions Managerの田野崎 亮太氏は「Facebook広告と同じで、障壁はない」と語る。Instagram広告の価値について話を聞いた。
親和性の高い業界は?
田野崎氏によると、FacebookとInstagramはユーザーの閲覧思考が大きく異なるそうだ。Facebookは、家族や友人、同僚といった「リアルで接点を持つ人」の近況報告を吸収するコミュニティであるのに対し、Instagramは友人などの近況報告以上に、趣味に関連したアカウントや芸能人のアカウントなどを見る傾向が強く、「発見コミュニティ」として利用されているという。
2015年にInstagramを対象として行われた調査では、「エンターテインメント」や「レストラン」「旅行」「グルメ」「コスメ」といったジャンルに関して、Instagramで情報収集するユーザーが多く、これらの分野の企業はユーザー獲得に繋がる可能性が高い。
「Instagramがユーザー獲得に貢献しているサービスでは、動画配信サービス『NETFLIX』さんが挙げられます。またフジテレビさんも、視聴率と出稿の相関分析こそできていないものの、あるドラマに関して出稿したケースではアンケートで視聴意向がアップするといった結果に繋がっています」(田野崎氏)
この夏にフジテレビで放映されていた「好きな人がいること」では、ドラマ内で使用するアカウントを用意して実際に写真を載せていた。また同社は、ハッシュタグで拡散を狙うなどの単なる広告出稿以外の取り組みも積極的に行っており、こうしたエンターテインメント業界の取り組みはトレンドとなりそうだ。
InstagramはC2Cとの親和性が高い
エンターテインメント以外では、資生堂の「インテグレート」がブランディングにInstagramとFacebookを活用。CMに出演している夏帆さん、小松菜奈さん、森星さんの役柄で個別にアカウントを開設し、「若年層へのリーチの補完と、ブランド認知・好感度向上のためにInstagramを活用していただいてる」(田野崎氏)そうだ。
また、アプリインストール広告についても着実に効果が出ているそうで、「メルカリ」や「ラクマ」「クリーマ」が名前として挙がった。これらアプリの共通項は「C2Cプラットフォーム」で、メルカリとラクマはフリマアプリ、クリーマはハンドメイド製品を直接消費者とやり取りできるアプリとなる。消費者はInstagramを発見コミュニティとして使っているからこそ、C2Cのような「掘り出し物が見つかる」プラットフォームを求める傾向にあり、必然的に親和性が高くなるのだろう。
しかし、これらの事例は規模が大きく、「出稿先として妥当なのか」は不明瞭なままだ。そこで田野崎氏に、一般の広告主がどのようにInstagramを活用すれば良いのか尋ねたところ「2ステップでInstagramへの取り組みを進めていただく」という答えが返ってきた。
[2ページ] : 「まずはFacebookとの出し分けから」
[3ページ] : 「モバイルへの最適化が鍵」
[4ページ] : 「海外ユーザーへのアプローチ」