VO2maxの調べ方はいくつかある
最大酸素摂取量を正確に計測するには、トレッドミルで全力で走りながら呼気ガスを採取するか、エアロバイクを全力で漕ぎながら呼気ガスを採取して、身体に取り込まれた酸素の最大量を調べる必要がある。専用の施設とスタッフが必要で、とてもではないが手軽には調べられない。
そこでスマートウォッチだ。最近のスマートウォッチには最大酸素摂取量の推定値を計測する機能が搭載されている。
方法は複数あるのだが、主なものをざっとまとめると次のようになる。
タイプ | 内容 |
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全力疾走テスト | ランニングを全力に近い領域で一定時間行うことで最大酸素摂取量を推測する方法。Polarのランニングパフォーマンステスト「マックステスト」などがある。GPSを使いながら物理的に移動を伴うランニングで最低でも最大心拍数の85%に到達し、その後最大の努力を6分間継続する必要がある。かなりの負荷を伴い、マックステスト実施後の数日間は軽めのトレーニングに抑えることが推奨されている。最大酸素摂取量以外にも最大心拍数、最大有酸素パワー(MAP)、最大有酸素スピード(MAS)を推測できる。推測値の中では比較的正確な計測方法だと考えられている |
全力疾走手前テスト | ランニングを全力に近い領域またはその手間まで行うことで最大酸素摂取量を推測する方法。Polarのランニングパフォーマンステスト「サブマックステスト」などがある。GPSを使いながら物理的に移動を伴うランニングで最低でも最大心拍数の85%に到達する必要がある。最大酸素摂取量以外にも最大心拍数、最大有酸素パワー(MAP)、最大有酸素スピードも個人データとともに推測値を算出できる |
ウォーキングテスト | ウォーキングを行うことで最大酸素摂取量を推測する方法。Polarのウォーキングストなどがある。GPSを使いながら物理的に移動を伴うウォーキングで最低でも最大心拍数の65%以上を15分間維持する |
ランニング | トレーニング(アクティビティ)のランニングを実施することで、自動的に最大酸素摂取量の推測値を計算する方法。Garminでは最大心拍数の70%以上で10分間以上、Polarでは6km/h以上で12分以上のランニングが必要(Polarでは自動的に計測される値はVO2maxではなくランニングインデックスと呼ばれている) |
ウォーキング | トレーニング(アクティビティ)のウォーキングや、自動的に検出されるウォーキングによって最大酸素摂取量の推定値を計算する方法。Garminでは4km/h以上で15分以上で算出される |
何もしない | 最大心拍数、安静時心拍数、身長、体重、性別、トレーニング頻度などから自動的に最大酸素摂取量の推測値を算出する。Polarのフィットネステストなどがある。簡単な方法だが、あまり正確な値とは言えないかもしれない |
上記の方法は、上にいくほどきつく、下にいくほど楽だ。しかし、辛い方法ほど値は正確で、緩い方法ほど不正確になると考えられている。以下、それぞれの方法について説明していこう。
ランニングテスト
最も正確、かつ、最もキツイのがランニングテストだ。この手のテストはPolarのスマートウォッチに搭載されている。指定に従ってランニングを行い、最終的にかなりきついところをキープする。スマートウォッチの指示に従って速度を上げていく必要があり、当然だが運動の習慣を保たないビジネスマンにはほぼ不可能な方法だ。すごくキツイ。
ただし、比較的正確な最大酸素摂取量を推測できると考えられている。ランニングに自信があるビジネスマン向きの方法だ。
ウォーキングテスト
ランニングではなく、ウォーキングで同じように最大酸素摂取量を推測する方法がある。キビキビと動くウォーキングはランニングより正確に最大酸素摂取量を推測できるという考え方もあるので、結構魅力的だ。
しかも、この方法は、運動習慣のないビジネスマンでも何とかこなすことができる。今のところこの機能を備えたのはPolarのPacer ProとPacerというモデルだけだが、Polarの今後もモデルには搭載が進むと思うので、興味がある方はPolarのスマートウォッチを調べてみてほしい。
次に計測の様子を簡単にまとめておく。
ランニングテストやウォーキングテストは、勾配のない平地で、GPSがちゃんと機能して、止まることなく動き続けることができる場所で行う必要がある。理想的にはトラックがあればよいが、広めの公園や河川敷沿いなんかでもよいかと思う。
Polarのウォーキングテスト中は心拍数を少なくとも117以上にキープする必要がある。次のような感じだ。
筆者の場合は、ウォーキングテストはかなりきつい。もうこれ以上早歩きはできないという限界レベルをキープして心拍数が117になるので、必死にテストしないとクリアできない。普段坂道でウォーキングするので、平地のウォーキングではなかなか心拍数が上がらないのが原因かもしれない。
Polarの説明にもあるが、アスリートのように高負荷の運動に慣れている場合、ウォーキングテストでは十分に心拍数が上がらないので計測できないとされている。その場合にはランニングテストを行う必要があるだろう。ウォーキングテストはウォーキングで心拍数が上がるような普段運動する習慣を持っていないビジネスマンにうってつけなのだ。